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スローモーション

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母が兵庫から信州に やってきた
自分はずっと そのことを やっとその気になったか ぐらいに思っていました
あれから15年 69の私は そのことが えらい覚悟のいることだったのだと
気付くのです
母は 夫が運転する ワゴン車に足をすすませるとき スローモーションのように
ゆっくりだったことを きのうのことのように思い出します
いまの私は それが 母の迷いであり もしかしたら 「やめとくわ」と
引き返したのかも知れない そんな光景だったのです

母のその後は 生活の習慣 遠慮 寒い いろんなことがありました。
それでも 母は 娘である私を 7時になると階下から 「のいちゃん おきなえ(おきなさい)」と何度も呼んだ
洗濯物を早く外に干さなくては それがその理由だった。朝ご飯を作らないと それも理由だった。 その声を 聞いていたのは私の他に 孫たちも 夫もいた。義父は耳が遠かったから どうだろう。

母の思い出話というのは 「のいちゃん おきなえ」が選ばれているようです。

母があのとき迷っていて 引き返していたら そう思うことがあります
そこで自分のことに おきかえてみるのです
母のように スローモーションの足もとを想像しながら
 

  
《 2019.02.22 Fri  _  思い出 》