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こころ 夏目漱石

「こころ」夏目漱石 先生と私 つづき

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 私はそのうち先生の留守に行って、奥さんと二人さし向かいで話をする機会に出会った。
先生はその日横浜を出帆する汽船に乗って外国へ行くべき友人を新橋へ送りに行って留守であった。横浜から船に乗る人が、朝八時半の汽車で新橋を立つのはそのころの習慣であった。私はある書物について先生に話してもらう必要があったので、あらかじめ先生の承諾を得たとおり、約束の九時に訪問した。先生の新橋行は前日わざわざ告別に来た友人に対する礼儀としてその日突然起こった出来事であった。先生はすぐ帰るから留守でも私に待っているようにと言い残して行った。それで私は座敷へ上がって、先生を待つあいだ、奥さんと話をした。

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 その時の私はすでに大学生であった。はじめ先生の家へ来たころから見るとずっと成人した気でいた。奥さんともだいぶ懇意になったのちであった。私は奥さんに対してなんの窮屈も感じなかった。さし向かいでいろいろの話をした。しかしそれは特色のないただの談話だから、今ではまるで忘れてしまった。そのうちでたった一つ私の耳に留まったものがある。しかしそれを話す前に、ちょっと断わっておきたいことがある。
 先生は大学出身であった。これははじめから私に知れていた。しかし先生の何もしないで遊んでいるということは、東京へ帰って少したってからはじめてわかった。私はその時どうして遊んでいられるのかと思った。


こうして ちびりちびり読んでいますとね 打つ量より 先にどうなるのか 読んで見たくなったりします。「それからどうなるの?」ってね。
で きょうも 打つ手をおいて 読んで見ました。
おかしいですね
《 2019.01.09 Wed  _  読書の時間 》