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こころ 夏目漱石

「こころ」夏目漱石 つづき


 しばらくして海の中で起き上がるように姿勢を改めた先生は、「もう帰りませんか」と言って私をうながした。比較的強い体質をもった私は、もっと海の中で遊んでいたかった。しかし先生から誘われた時、私はすぐ「ええ帰りましょう」と快よく答えた。そうして二人でまたもとの道を引き返した。
 私はこれから先生と懇意になった。しかし先生がどこにいるかはまだ知らなかった。
 それから中二日おいてちょうど三日前の午後だったと思う。先生と掛茶屋で出会った時、先生は突然私に向かって、「君はまだだいぶ長くここにいるつもりですか」と聞いた。考えのない私はこういう問に答えるだけの用意を頭の中にたくわえていなかった。それで「どうだかわかりません」と答えた。しかしにやにや笑っている先生の顔を見た時、私は急にきまりが悪くなった。「先生は?」と聞き返さずにはいられなかった。これが私の口を出た先生という言葉の始まりである。
 私はその晩先生の宿を尋ねた。宿といってもふつうの旅館と違って、広い寺の境内にある別荘のような建物であった。そこに住んでいる人の先生の家族でないこともわかった。私が先生と呼びかけるので、先生は苦笑いをした。私はそれが年長者に対する口癖だと言って弁解した。私はこの間の西洋人のことを聞いてみた。先生は彼の風変わりのところや、もう鎌倉にいないことや、いろいろの話をしたすえ、日本人にさえあまり交際(つきあい)をもたないのに、そういう外国人と近づきになったのは不思議だと言ったりした。私は最後に先生に向かって、どこかで先生を見たように思うけれども、どうしても思い出せないと言った。若い私はその時暗に相手も私と同じ考えをもってはしまいかと疑った。
そうして先生の返事を予期してかかった。ところが先生はしばらく沈吟したあとで、「どうも君の顔には見覚えがありませんね。人違いじゃないですか」と言ったので私はへんに一種の失望を感じた。


きょうは ここで 一節づつ読んでは こんどは覚えて ちらちら見返さずに打ってみることにしました。えっ どうして? 私にも 自分の記憶に「かげり」がではじめているんじゃないかとという心配があるのですよ。
というのも 話は変わりますが それは映画の話。 
もうタイトルが のっけからでてきません 主人公はイギリスの土地の名前と同じなんです。おかしなことに ヘンリー8世だとかエリザベス一世がでてくるのだけど その肝心の名前が。
これは だいぶ やばいです。だからこういうことをやってみてるんです。
まず ウイリアムバロウズという詩人はここの出身 これもあやしいな。

そこで 夫にメモ帖をもって聞きに行くのです。
「パターソン」
もしかして おぼえにくい名前じゃない?
「アメリカ映画」
イギリス人の顔よパターソンは 日本人のあの人にも似てるわ
「ブルドッグの名前は さあ ジョンじゃない?」

いつものいすに パターソンが仕事から帰って来ると すまして寝そべってるブルドッグなんだけど
あのポストのポールを(木製かなあ)ちょいと足で傾けているのはこいつ
パターソンはこの犬の散歩に毎晩のように行く 行きつけのバーの外につないでおいて
カウンターで一杯のビールを飲む
愛妻は美人で その夫の ビールのにおいをとても好き
パターソンはバスの運転手
ほらここまで 思い出せるのに 肝心のパターソンが出てこないと
するすると出て来ない 不思議ですねえ

やや!何の話?
ギンズバーグもパターソンの出身

「こころ」では 海岸で見かけた先生のことを 遠慮がちにも なにものか
興味を持つ若い男の話ですよね
多くの海水浴客の中で この人だれだっけ みたことあるなあ 気になる人
ありそうなんですが 気になっているのは 今のところ こちらがわだけで
あちらは そんなことはないんですよね
一方的な 興味が どうなっていくのかな


《 2018.12.17 Mon  _  読書の時間 》