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東京物語2

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 このところ ひとりで 遠出をする事は なくなりました
2008年頃が 最後じゃないかな
えらい年寄り染みた事になったものですが 本当です
東京物語2は そのころのものです


わたしが 遠出する 今回は東京
東京の中の白金高輪というところ
娘に2週間ほど前に くわしい行き方を ファックスで送ってもらう
娘の作った洋服やバッグの展示会が そこである
展示会と展覧会は同じ?まそんな事を考えながら さて行けるんやろか
考えただけで胸がパクパクする
このところ このパクパクにドキドキが加わって 
心臓が右に左に揺れるのがわかるような気がする

松川駅 9時53分 松本10時36分 11時8分のあずさ14号で
新宿13時36分 新宿からJR山手線内回り14番線 目黒 東京メトロ南北線
浦和美園行き 白金高輪 1番出口から出る 駅構内の建物の中を通って
外に出る。ちょっとわかりづらいから 駅員の人に聞くこと
出口から出たら すぐです たのしみにしています

2週間ほど前から衣類をゴロゴロ(旅行用車つきスーツケース)につめてみる
2泊分
入れ過ぎないように何度も入れたり出したり

母も大体同じような経験をしている
大阪時代 わたしのところに兵庫の田舎から出て来るとき
切符をうまく買えなくて うろうろしていたら 駅員さんが
親切に教えてくれたと 何度も嬉しそうに話していたのを思い出す
そんな母の年齢に近づいている
切符売り場の所を想像するだけで胸が苦しくなる
この想像しているときが 一番苦しい

さて旅は始まった
松川ー松本ぐらいは 大丈夫
松本でスーパーあづさ14号にのる予定 指定席8号車14番D席
最初 指定席の番号とあづさ14号をまちがえて8号車なのに14号車
の前に立つ
もう一度見直して 今度は8号車の前に立つ
おべんとうを買おうかなと また移動する
幕の内はやめておにぎりを2こだけ買う
大きなペンケースにクリームやほほべに 口紅などをお金と一緒に入れている
ので とりだしにくい お茶はペットボトルに入れているので 買わない
これにのると 2時間28分で 新宿につく予定
あの新宿の駅は 人でいっぱいやろなあ
人ごみを歩いている自分を想像するだけで疲れる

指定席の券は ただなの?
「指定席じゃないとすわれませんか?」
「お客さん せっかくだからとっていきましょうよ」
「指定席はただなの?」
「そうだよ」
駅員さんとこんな会話をした
「ただなら のりおくれても安心や」そう思った わたし
電車については のりおくれたらの心配をよくする

8号車も 他の全車両が禁煙
お父さん(夫)かわいそうねえ
お父さんはスモーカーなのだ
タバコをやめてというと 市川昆映画監督は80代になってタバコをやめようと
思い立ってやめたそうな そしてやめたとたん 亡くなったんだそうな
そういって お父さんは笑う やめんといたほうが 長生きでけたかもしれんのに
だって
そうなの?そうだといいわね

窓ぎわになっている ああ これから2時間28分はここにじっとしていられる
おにぎりもあるし お茶もあるし 柿の種も ビタミンゼリーもある
「緊張しない方法」というちょっとした雑誌ももってきた
今頃の電車には物を置くテーブル なかった?飲み物を入れるところはついてるけどね
少しずつ 気持ちが安定して来る たのしくさえなってくる
どういうこと?

なんてことはないわ

ワゴンサービスのお姉ちゃんは美人かいなあ いもねえちゃんもいいよね
あっ お父さんみたいな事考えてる でもいもねえちゃんもいいというのは わたし
お父さんは 奈良で公演を頼まれて行っている
最初の頃は しゃべることを原稿に書いて 練習して たいへんだったけど
回を重ねるにつれて そんなこともしなくなった
わたしは アトリエでこっそり 一人で しゃべってみる
それは 高校のとき 人前で 3分間スピーチが うまくできなかったから
わたしはお父さんの仕事について行く事はほとんどない
だけど 子供たちがそれぞれにこの家を出て行ってからは
一人残されたときは ちょっとさびしい
でも もっとさびしい者がいる
ねこのムラカミ(なまえ)だ
「おるすばんしててな」とムラカミに声を掛けると 座って下を向く
うそみたいやけど 暗い顔をする
で 今回は2人が同じ日に奈良と東京に出てしまう
ねこだから 余計に心配になる
そんなときは 近くに出たばかりの末息子に泊りにきてもらう
この息子は ムラカミと仲が良くて いっしょのふとんで 毎日寝ていた
その息子が23で出て行ったばかりで ムラカミはおいてけぼりってところ
かわいそうだけど 時は流れる

何の話?
そうそう わたしは新宿行きのスーパーあづさにのってるんやった
松本では桜の花が咲いてたり まだやったり
東京は散っているはず

長くなったので おぼえてたら またつづきはあした


時は流れる さらに
10年の間に 何が変わったかなあ
展示会をした娘は あのとき よめにいってたかなあ まだかもしれない
なによりも わたしは 東京に一人で行ったのよ
寂しそうな顔をした ねこのムラカミは もういない 21歳でいきました
末の息子は 帰ってきましたよ いろいろあって 
わたしも いろいろあって
夫も いろいろあって(いっしょにせんとってといいそうだけど)
みんなどこか かけてるみたいね
東京物語2は わたしに 時は流れるを 優しく教えてくれます 





《 2018.09.21 Fri  _  日記(日々) 》