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きりぎりす

きりぎりす 太宰治 つづき

私は飲酒というものを、罪悪だと思っている。悪徳に決まっている。
けれども、酒は私を助けた。私は、それを忘れていない。私は悪徳のかたまりであるから、
つまり、毒を以て毒を制すというかたちになるのかも知れない。酒は、私の発狂を制止してくれた。私の自殺を回避させてくれた。私は酒を呑んで、少し自分の思いを、ごまかしてからでなければ、友人とでも、ろくに話のできないほど、それほど卑屈な、弱者なのだ。
 少し酔って来た。すし屋の女中さんは、ことし二十七歳である。いちど結婚して破れて、ここで働いているという。
「だんな」と私を呼んで、テエブルに近寄って来た。まじめな顔をしている。「へんな事を言うようですけれど」と言いかけて帳場のほうを、ひょいと振りむいて覗き、それから声を低めて、「あのう、だんなのお知り合いの人で、私みたいのを、もらって下さるようなかた無いでしょうか」
 私は女中さんの顔を見直した。女中さんは、にこりともせず、やはり、まじめな顔をしている。もとからちゃんとしたまじめな女中さんだったし、まさか、私をからかっているのでもなかろう。「さあ」私も、まじめに考えないわけにはいかなくなった。
「無いこともないだろうけど、僕なんかにそんなことたのんだって、仕様がないですよ」

***

書いてこることは このとおりですから(なんちゃって) 
これ以上に 読めるとは思えませんし 酒のことを 毒で毒を制する飲み物
自分を助けてくれる飲み物であったと 言っている
はなしはそのままつづくかと思いきや 27歳の女中さんのことになる
うまいわ さすが
ひとつひいて その場を 描いている
「無いこともないだろうけど、僕なんかにそんなことをたのんだって、仕様がないですよ」
この作家は 自分のことをどうしょうもない人間だと なんの役にも立たないですよ
といいながら 人を惹き付ける事をやっているわけで これは自慢話なのですか

えっお客さん それをいっちゃあおしまいよ ですか

話は変わりますが ツバメははるか遠い国からやって来て 子どもを育てるわけですが
カラスが そのひなをねらうんですね
その家の番犬は 15歳 このまえまで わんわんって吼えてたのに 目も耳もわるくなって カラスを追っ払う事ができないんだそうです
でも つばめもかんがえました おきゃくさんが出入りする軒下に もう一度巣を作って子どもを育ててるんです
ぴいぴいと声はするんですが 巣が見えません
こんどはうまくいくかな
それでも あまり遅く子育てをすると 帰る時に 飛ぶ練習ができてなくて苦労するだろうな そうここの人は云うのです
あーあ あっちの国では どうやって子育てをしているのかな
えっ こっちでも あっちでも 子育てをするんですか 何でも子ども相談室の
先生 どうなんでしょうかね
 
 
《 2018.08.09 Thu  _  1ぺーじ 》