マッチ売りの少女には わるいんですけど
たくさんのマッチの先を きってしまいました
だいたい マッチをこんなに集めているのも おかしいですが
これはぺったんこの古い船の絵がついている そんなマッチです
フリマで手に入れたのか きっとそうでしょう
これを パラポンの(超うすい自家本)付録にしようと思っていたのです
「燃やして下さい」とか「しゅーっ」だとか詩を書いて
ところが この夏 「自然発火はこちらまで」という言葉が浮かんできて
家が燃えてしまうかも知れないと こわくなり
火災が世の中で起こる テレビのなかで見ていると
「マッチを持ち過ぎる罪」という言葉が出てきたりして
こうして 先を 切ってしまったのです
それは むかし色で 濃い群青色ですか 赤もすこしまじっています
で あんまりきれいなので ビンにとっておこうかと
しかし 「マッチ一本火事のもと」という言葉が出てきて
いつものカンカンで もやすことに
「こわいから もやして」ともう充分想像が出来上がっている私は
夫セイに もやしてもらうことに
どうしてこんなにドキドキするのかしら
「あんた 前世で まっちすり という仕事をしてたんじゃない?」
「まっちすりって どういうしごとをするの?」
ここで お話は おしまい
だけど
「王様はマッチというマッチを 家来たちにぜーんぶ燃やしてしまうように
命令しました まちのものにも そう云うおふれを出しました」
で そんな かわいそうなマッチなのです