日曜美術館で 井上安治 という 明治初期の
絵師がいたんだということを 今回知ったんです
その時代の東京をたくさんのこしているんですね
そこには 橋が よく出てきます
こととい橋 あずま橋 日本橋
木の橋なんですね
橋のしたには 川が流れているわけで
そこを 交通手段とする 船が行き交います
月が出て 建物の窓にあかりがついている
当時をよくのこしてくれたなあ そう思います
ところで 私はまた別なところで
思い出を引っ張り出してしまいました
わたしは ふるさとの 木の橋の夢を よくみました
それも 大水で流されて 骨格だけがみえていて
それは あぶないので わたれそうでわたれない
その橋の両脇には すすきや草がある
坂を上がれば 私のうちもあります
わたしは なぜ こんな 興味のない夢を
けっこうみるのだろうと 思ったものです
しかし 橋というものは なければ 川を渡って
向こう岸まで行かなければならないと
そういうものなんだなあと
台風などで大水が出る度に
学校は早退になり どきどきよろこんだりしながら
やはり 橋がながされないうちに 渡らないと家に帰れない
そんなところが 一カ所はあったんですね
そんな経験が 自分の中に組み込まれているとしたら
その夢は 私の基本の一つかも知れないと 思うのです
橋渡し役 木と土の流されてしまった橋
橋を使った言葉は ありますが
井上安治の絵を見ていても 私には そういうことが
頭に浮かぶんですねえ
この写真は 母が孫たちに編んだ 服が 小さくなって
それを わたしがもらって こんなふうに表現したんですが
この橋の話が出たとき ファイルをパラパラめくっていて
これがいいと 感じたんです
これは橋ではありませんが 連想させるというか