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遠ざかってはいるけれど

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「遠くなって行くこと」 NEKO美術館発

遠ざかって行く人 父 母 兄たち

思い出を 忘れているわけじゃないけど 母がいつか言っていたように
「死んだ人は ひにひに 遠ざかって行くでなあ」
これかなあ

一人の兄が こういうことを書いている

僕の力
「人間は あるところまでは 力が強くなるので
理由がないのに 弱くなることはないと思う
他の者が強くなってきているのだ」
「体の発育に影響するのは栄養、運動
その他いろいろで、僕を考えてみると
あまり心配し過ぎると思う」


これを読んでいて 妹のわたしは せつなくなってきた
それは 兄のことを あるていど 知っているからかもしれない
思春期の兄のこと
でもその時は 気難しい 兄でしかなかった
ここで 兄は どういうことを書こうとしていたのか わたしにははっきり 表現できないけど 68歳の私は すでに死んでしまっている 兄のことが 可愛い弟のように
思えたりするのだ

上の写真は 母がいつも使っていた メモ帖についていた 小さなえんぴつ
このメモ帖は 母のとても大事な家計簿のための 買い物中にでも取り出せる
もの
私が子供の時から お店で立ってでも メモをしている 「いわし何円 おかし何円」
そんなことをしているお母さんは いなかったような気がする
母は 「几帳面だったのだろうか」
でも 夜は よいのくちからがーがーねて 朝は早くから起きていた
くよくよ悩んでいるのを見たことがない 
本当にそうだったのだろうか 
日記には 頭が痛かったと何度も書かれているのだから 

わたしは家族のことを いちいち見ていなかったのかもしれない
自分のことで 頭が一杯だったのかもしれない

で たしかに家族たちは 遠ざかって行く
消えてしまいそうだ

だけど 


《 2017.11.10 Fri  _  思い出 》