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なんちゅう虫?

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1970ねんに会いましたね NEKO美術館発

茶色の まだらの入った 小さな虫
辞書のうえを 歩いた
そこは まるで この虫 檜舞台みたい
進じられないこの細い足 それなのに すたすた歩いてる
触覚はぴんとたっている トナカイの角ってところかな
小さいくせに 大きな目 真っ黒に塗り潰されたみたい

おやっ 歩くのが とまった
じっと 顔を埋めてる
用心深いではないの?

横から見てみよう 水牛ってところかな
服のセンスからいけば センスある
でも ちいさいのに よけいに小さくうずくまるってことは
用心深くて 気が小さい
それとも 今までに怖い目に会って来た?

いやいや 思考する虫 哲学者?
ほめすぎじゃない ねえ
だって 見て 考え考え 顔を埋めてるよ

パスカルだっけ?
辞書のどの辺りを歩いてみるべきか それともその1ページに専念するか
しかし 人間の気まぐれで ぱたっとそのページ しめられたら
ひとたまりもないよね
「押し虫だ それには僕は 若すぎる」誰でも考えるよね 虫じゃなくてもさ

背中をかきはじめた
人間だって ねこだって 背中が痒い
手で足もかいてるよ
気持ち好さそうだな

背中をかいてるところは かどっこ
歩いては 子のかどっこに戻って来るから ここが 定位置ってことかな

おや 透明それは
片方の翅の中から出てきた まるで花風船みたい
花風船だー

つまり 飛ぶ?
片方ずつ 用心には用心
飛ぼうという その意思は 半端じゃない 大事に仕舞ってある?

だいぶ待ったよ
両方の翅が ええっと 出そろうまで

いよいよだ 檜舞台って言ったっけ?
それがね いよいよだっていうのは このにんげんで
なんども ためらってた

いやあ わたしと おなじ

***

1970年6月6日の話なんですけど それは22歳でしたけど
68歳の私は この22歳に黙ってられなくて もはや22歳の
コトバたちは ときどきぽーんと 投げ捨てられてしまいました。
黙ってられない ばあさんか やですね。


《 2017.10.03 Tue  _  わたしでいいですか? 》