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生きることは

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「生きるとは自分の物語を作ること」考える 新潮社 2008

河合隼雄 小川洋子 対談 つづき

河合 真っ暗な中誰かもわからない男が急に忍びこんで来て、パッと関係をもつわけだから、女性にしてみれば、死の体験に近い、まさに死を共にしたという感じじゃないかと僕は思っています。そこから出発して、心の方は後でだんだん結ばれていくわけですね。
 アメリカやヨーロッパでは、僕はよく『源氏』や日本の物語の話をするんです。日本の平安時代の男女の関係は、まず男が顔見て、財産とかを調べて、女性のところに急に忍びこんで来る。その時女性には、香りとかちょっとした身振りみたいなものとかだけしかわからないんだ、と話すんです。
小川 衣擦れの音ですとか。
河合 アメリカの女性が「素晴らしい!」って言ったんです。
小川 奥ゆかしいものに憧れがあるんでしょうか。
河合 こういうことを、自分たちアメリカ女性は全然経験していない。自分たちは「こんな顔をした人で、こんなお金持ちで、こういう社会的地位があって」ていうことで相手を選ぶから、本質が狂うんだと思うんです。。すごく面白いでしょ。
小川 面白いですね。感覚よりも合理性が大事にされている。
河合 そう、それでかえって男女の愛がなくなってしまうんです。僕はむしろネガティブな意味で紹介したんですけれど、言った途端に「ワンダフル!」という反応がかえってきた。考えたら現在の日本人というのは、こういう面白いことをいっぱい捨てているんです。合理的に考えてちゃんと自分で判断して、相手を選んだなんて思っているけれど、そんなものろくなことないですよ。
小川 みんな失敗していますからね(笑)。

***

『源氏物語』って たとえばまんがではどのくらいの国に読まれているんでしょうね。
そして 「ワンダフル!」とアメリカの女性は言いましたね。奥ゆかしいと。
現在の日本はそういうことを 捨ててきていると 河合さんは 言います。
「奥ゆかしさか」
ふむ 次にどう言っていいもんやら。現在の日本人は面白いことをいっぱい捨てているというんですね。
その結果 失敗しているんですね。ふむ


さて現在人・のりこですが 上の写真は 今年の夏の雑草(ヒメジオンもありますよ)ぶりを見ていただくことになるのですが この家が取り壊されて 空き地が またたくまに背丈ほどもありそうな雑草に覆われてしまった様子です。
 子どもの時に 妖精に出会ったという人のことを聞いた事がありますが
その妖精は ハチかなんかのように小さくて 羽が生えていて でも語りかけてくるんだそうです。「どういうことを語りかけてくれたのかしら」
まさにここは草の森 自分が急に小さくなって そんな妖精に出会えるんじゃないかと。そのなかに一歩足を踏み入れてみて それから 現実は ゴミを捨てる日なのでした。 
《 2017.08.26 Sat  _  1ぺーじ 》