「生きるとは自分の物語を作ること」 考える人 新潮社 2008
河合隼雄 小川洋子 対談 つづき
小川 箱庭というのは、砂が敷いてあるんですか。
河合 砂です。やられたらわかりますけど、砂をワーッと触っているうちに、もうそれだけで心がほぐれてくるんですよ。子供時代のことも出てくるやろうしね。そこで何かを作る。何やったってええわけですから。
小川 子供が砂場で遊ぶというのは、大事な体験なんですね。
河合 ものすごく大事ですね。形なきものに形を与えるんだから,まさに天地創造です。心理学の国際会議で、世界中の天地創造の話と箱庭療法を結びつけて話をしたことがあります。箱庭もいろいろ見せました。
箱庭って砂をどけると、下が水色なんですよ。一瞬水が出てきたかと思うし、空が出てきたと思ったりしたらそれは天地の分かれ目でしょう。そう考えるとまさに天地創造ですよね。
小川 神話を作っているわけですね。
***
これは 砂を触ってみると感じるんでしょうね。
いま 私は 海で拾って来た小石を 毎日のように順番に10個ほど並べてみてるんですけど つるっとした石の感触 一つとして同じ物ではないという微かな驚き いいですね。 海のにおいが残ってるかも知れないと におってみたりもします。
箱庭の話に戻りますが 「砂を箱庭に入れてみることを 河合先生がされたのは どうしてなんですか」なんてことを すでに書いてありますが もう一度 きいてみたくなったりしますが。
砂の下は水色なんですね。
*
さて丸石ノリコですが これは 砂浜じゃありませんが そう思えないこともありませんね。 私は砂浜で 貝殻や漂着物を見つけたいなあ。
そんな特集を雑誌で見つけたとき 一瞬 そこらへんんで 住んでみたいと 想像したものです。
想像は アトリエに行って箱庭さえ作れば すぐなんですが なかなか その気になるまでが。 はこもあるし 海の石もあるし さかなやえびもあるし。
でも アトリエが海だと考えたら 砂浜もありそうだし。