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付録付き日記

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記憶  NEKO美術館発

きのう1971年の日記のお話をさせてもらいましたよね
このなかで 朝日新聞の11月6日の「600字ショート」というのがはさんでありました。 それはこういうものでした。

記憶  都筑 道夫

 私は腕のいい看板屋で、毎日忙しく働いているが、実は病気だ。五体は満足なのだが、頭のなかに記憶がないつまり記憶喪失症で病院に保護されていたのを、女房が探しあてて、家につれて帰ってくれたのだ。女房はなかなか美人で、しっかりものだ。当歳(今年生まれた子)をかかえ、小さなアパートに移って、働きながら私を探し、探しあてると、私が仕事を思い出す(というより、おぼえる)のを待って、ささやかな店をひらいた。店は繁盛しだしたが、一年たっても過去の記憶はよみがえらない。それでも、けさまでは幸福だった。 
 ゆうべ、家をのぞいている男がいた。その男らしいのが、けさがけ下で死んでいたのだ。酔って足をすべらしたらしい。死体を発見した近所の人が、最初、私かと思って、びっくりした、と話してくれた。それが気になるのだ。私は女房のほんとうの亭主だろうか、病院で、私はよく絵を描いた。それがうまいのを見て、女房はうそをついたのではないか。ぐうたらな蒸発亭主のかわりに、実直そうな私を見こんで、働き者の看板屋に仕立てたのではなかろうか。
 記憶はあすにも、戻るかもしれない。私がほんとうの亭主でなかったらーそれを口に出したら、女房はどうするだろう。ゆうべ疲れて、私が早寝をしたあと、女房はしばらく家にいなかったような気がする。私に似た男がほんとうの亭主で、それを女房が殺したなどとは、けっして考えたくないのだが....

***

これを読んだとき まず浮かんだのが 朝ドラの ええと 「ひよっこ」でした。
今 2年半も行方不明になってた お父さんが やっと見つかったというのに みね子という娘のことも 茨城にいる奥さんや家族のことも おぼえていないのです。

で 新聞の文章では 記憶喪失だと こんなことを 本人は心配したりするんだな と。
ところが 読んでいくうちに この「600字ショート」というのは 作り話なのかもと
思い始めた私なのでした。まるでサスペンスのようですからね。
「記憶喪失というものは いったいどういうものなんだろう」と この文章を読んでいたのにね。
自分の日記の話に戻りますが ページをめくっていくと 22歳の時の書いてあることなど やはり記憶喪失に近いものを見せられているようです。

写真は ボンヤリと写ったのを のせました。 
 



《 2017.08.09 Wed  _  わたしでいいですか? 》