こどもはこう見ていた 1994 NEKO美術館
ふるさとの田舎での思い出なんですが
とくに大水が出た時
私は 家が丘の上のほうにあったので
川の流れを 家から ながめることができたのです
いつもの透明な水ではなく
濁流で おそろしい勢いでした
それがね 子どもの私からしたら
この子供のRが描いているような なんとも恐ろしく長く
くねった 竜にも見えるのですよ
竜という発音は 流とも書きますよね
そんな竜の背中は どこからどこまでが背中なのか
うろこだとしたら どんな感触なのか
たつの子太郎はたつがおかあさんなのだから
もう あんよは なんだかあかちゃんなんだけど
たつのお母さんに乗って がんばってるよね
大人になると こういう絵は 描けないと思うんだけど
ふしぎなことにね
どんな英雄を 描くのでも Rは子供のとき
やっぱり 子供の姿なんですよね
それは 等身大だってことなのかしら
私は そのことをふしぎだなあと
よく思いましたよ