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Rのあしあとを探る
「じゃんぐるの王者」１９９４ NEKO美術館発
わすれないうちに アンリ・ルソー
いえね これは にっぽんの子供の絵ですよ
この子は３２歳になりました。
絵描きですが もうやせるほど のめりこんで
筆をはなさないんです
しつこいというか デリケートというか
わたしは この人の身体や精神が心配になって
「もうすこしきらくにやったらどう？ なんまいか 絵を壁に
並べて つづきを描くとか」
で そうするかというと そうじゃないと
こばむんです
そして そんななかで 絵ができあがっていくんです
いや まだ と本人にはおもうところがあったりして
われわれに「どーおもう？」と聞いてくるんです
「ん ここのところがなあ」などというと
あおなにしおみたいに がくっとなるんです
なんとなさけないやっちゃと 自分はよくおもったのですが
ながいあいだに
このしつこさと いつまでも完成が感じられないって
もしかして すごいことかも
そうおもうときがあるんです
自分は結果を速く見たくて 描いていたんだなあって
この人は もちろんそういう考えもあるのでしょうが
しつこく 未完成のなかを 歩き続ける力があるんだなあって
なんどもそんなことがあったんですけど
こんかいは なんか 考えましたよ 自分が
表現って きらくにやれよといっても それは自分にはあてはまっても
この人には そうじゃないんだ って
この人だって きらくにかいているときも あったかもしれません
でも いまは こういうふうなんですね
その絵には ふんいきがあって とても感動しました
《 2017.06.29 Thu _ これくしょん 》