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おはなし

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「おかあさんにしてもらうおはなし」 NEKO美術館発 1978

おかあさんというからには こどもがいます
どかにでもいる なかなかかたづけない こどもたちです
もちろん あまえんぼうだし いたずらもします

で おかあさんは こどもたちが ねたあと
ためいきまじりに つぶやくのです
「なんて よごすのがすきな こどもたちかしら
おりがみや びーだま ミニカー おかしのくず」

おかあさんは かたずけています いつものようにね
でも なんだか とてもつかれているし
かたずけるのが きょうは いやでした
きっと おかあさんは ときどき そう思うのです

「何かいい方法は ないかしら?」
おかあさんはひじをついて おちゃをのみながら 
考えています
つかれているから おかしもつまみながらね

それから おかあさんは おもいたって
まほうつかいのおばあさんのところへ
相談に 行きました。

「そうさなあ わたしはまほうつかいだから はやいよ 考えるのが」
そういって まほうのえんぴつで ひょいひょいと
まず 小さな「はこの家」をかきました
それから ふうーとふいて まるで おもちゃのような ちいさな おうちを 出しました。
「どうだい こういうのは」まほうつかいのおばあさんはいいました。
「あら とてもかわいいおうちですこと。でもね このちいさなおうちでは
こどもとこどものごみをちらかすごみもんだいは かいけつしますの?」
おかあさんは聞きました。
「そんなわけはないさ。これは魔法設計図。 ここからあんたと相談して
いい結果をうみだすのさ。なんでもそうだろう いくらわたしが ゆうのうな
まほうつかいだからって 事を勝手に進めるというのは よくないからねえ」
おばあさんは まほうこーひーを おかあさんにすすめながら 言います。
「いいかい こののっぺらぼうのおうちじゃ よくないだろう?」
それをきいたおかあさんは かんがえかんがえ
「まどをつくるのはどうでしょう」
そういいますと おばあさんは
「そりゃあ よくあるはなしだ そうするかい? でもそれだけじゃあ どうだい
ほかになにか ごちゅうもんは?」
それで おかあさんは
「そうだ!ちいさな こどもようのどあを おねがいしたいです」
そういいますと おばあさんは
「ほいきたがってん どあがないうちは ふべんだからねえ。かぎはいるかい?」
おかあさんは しばらくかんがえていましたが
「かぎは ええっと いりません」
そうこたえました。
「それくらいかい? そいじゃあ どのぐらいのおおきなうちにするかね?」
おばあさんはいいました。
「そうですね 子供用の二段ベッドとおもちゃなどがはいるぐらいの」
おかあさんがそういうと
おばあさんは ふうーと ちいさなおうちに息を吹きかけました。
そうしましたらね ほんとうのおうちにちゃんと はいって
はみださないくらいの 二段ベッドと おもちゃがはいるぐらいのおうちが でてきてきたのです。
でも あとになって おかあさんはだいじなことを 忘れていたと思いました。
「おもちゃを かたずけるはこが ほしかったんです」
さあ つづきはほんのちょっとなんですけど いずれまたにしますね。

さて おしごとがおわりましたので つづきを おはなししますね。
「どんなはこにする?」
おばあさんは こーひーをのみながら おかあさんにききます。
「ええっと こどもみたいでもうしわけないですけど いいかんがえが おもいつかないんです」
おばあさんは それをみて やれやれというかおをして
「ごみをいれるいいごみばこねえ」といいました
「いいえ とってもたいせつな こどものおもちゃや そんなものをいれる
ごみばこなんです」
おかあさんは いいかえました。
「そうかい そういうのを たからばこなんていうんじゃないのかい?」
おばあさんも ちょっと いいかえました。
「そうなんです たからばこ」
おかあさんは おばあさんにうなずきました。
「たからばこというのは もしかして なかにたからものがはいっているんだね」
おばあさんがいいますと
「そうですね はこより ねうちのあるものが はいっているとおもいますが」
おかあさんのはなしは ここらへんで おしまいになるのです。
まほうつかいのおばあさんが おかあさんに きもちよくねむれる 夏はすずしく
冬はあったかいベッドを ふうーと ふいて だしてくれたので
すやすや ねむってしまいました。

みなさん どうします?


《 2017.06.23 Fri  _  ペラ本 》