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まとまりのないはなし

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1974.5.19-6.1(25才)Noriko Tochio

米谷ふみ子の「けったいなアメリカ人」集英社
このなかの 「ミラー、メイラー会談傍聴記」おもしろかったです。
彼女の本は 多分アメリカでは有名な映画関係の人や作家など
豊富に出てきて その方面にくわしい人には 宝の山なのではないでしょうか。

彼女はヘンリー・ミラーにご主人のジョシュと会いに行きます。

彼女の知り合いのクリスタは、「ミラー氏はとてもチャーミングなおじいさんなのよ。これだけは会わなければ判らないわ」そういいいました。
ところが ふみ子さんはヘンリーミラーの作品中、『クリシーの静かな日々』『ブラック・スプリング』『ネクサス』を読んでいた。しかし、『ブラック・スプリング』のなかの「テイラーズ・ショップ」を除いては、どの作品も似たような印象で区別がつきにくかったし、あまり好きにもなれなかった。彼は視覚的な作家であり、豊富なヴォキャブラリーによって、読者を陶然とさせてしまうけれど、大した深い哲学もないと思っていた。とりわけ、多くの性行為をこと細かに描写してあることにうんざりさせられた。いかにも自分が男性の中の男性だと言わんばかりで、読んだ後、私はひとりごちたものである
そんなふうに ヘンリー・ミラーのことを思っています。

こんなふうにして彼女はメイラーとミラーの対談にご主人のジョシュといっしょに行くのです。ここからがとても面白いのですが 私はここまでで 「ヘンリー・ミラーをほめない人がいる」というので あっと驚いているのです。わたしはヘンリー・ミラーの水彩画が好きで 本は読みかけては挫折しています。 ヘンリー・ミラーのことをこんなにクールに表現した人を知らなかったので それだけでふーんとめずらしがるのが わたしなのです。

で ここではこのふみ子さんの文章を読んでしまうと もうお話は わたしの写真に行き着くことはないので 自分のことに行きますね。

この自分の日記の中身は 青春時代のなんかどうでもいいことを まじめにかいているだけの文字も消えかかったものです。
万年筆で書きますと 何十年もたつと 薄くなって消えてしまいそうなんですよ。
でも大学ノートの表紙が柱時計のように 思わせぶりなのは どうしましょうか(笑い)。 1から12までではありませんね この文字盤は。 でもこれが柱時計だと思うからそうなので 別に時はどう動こうと。この程度の反抗で ちゃらいですよね。

この日記が 消えてしまったからといって わたしもだれもこまらないのです。これもちゃらい。

米谷ふみ子の会ったヘンリー・ミラーは彼がすでに85のときです。ホキ・徳田とは既に別れています。小さくなったヘンリー・ミラーのよこには27、8才のがっちりとした若者がいて トニー・ミラーと自己紹介しました。ミラーの秘書をしている息子さんらしいのです。
こうしてふみ子さんは ヘンリー・ミラーの家に入って行くわけなんです。

ふみ子さんは さいしょにクールにヘンリー・ミラーを見てるでしょ。ま 見たままを書いているんでしょうけど うまいですね。 それからクリスタが「会ってみなきゃ 判らないわ」のところに徐々に入って行く。

えっ何の話?
「自分ももうちょっと面白い文書かれへんもんかしらん」と。

いまさっき 電話がかかって来たんですけど サプリメントの勧誘です。 彼女は自信なさそうに 棒読みをしているようにしゃべります。声も小さいかな。わたしはその話が終わるのを待たずに「やりませんので」とことわると 彼女は「はい すみません」といいました。
で この1シーンが まるで若い時の自分を 日記を通して見ているシーンのようで せつないなぁ と。

このまとまりのない話。

ちゃらい!


《 2017.05.31 Wed  _  これくしょん 》