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おとのでるもの NEKO美術館発
あさのうちに アトリエの物や空気をくさらないようにかきまわしにいきます。
「宝の持ち腐れ」っていうでしょう? かきまわしつづけないとね。
きょうテレビをみてましたらね 第二次世界大戦で ドイツが敗れる寸前 ドイツが
ユダヤ人たちからとりあげた宝石類 はたまたピカソやラファエロやものすごい名画たちがどこかで密かにあるかもしれない うまってるかもしれないという うわさが戦後づっとあるそうですね。
それは美しい湖だったり 地中深くだったりします。
なんでも 暗闇にまぎれて 湖にもぐって 死んでしまったものもいるとか。
さてと私のアトリエの金銀財宝は このとうり かきまわしても金目のものは いっこうに出てまいりません。
私という小老人は 「きょうはここ あすはそこ」と くるくる かきまぜて ときには物を手のひらにおいて やはり不気味にわらいます。
かき混ぜた空気には そこそこの年月のちりやほこりが あさひに光り くしゃみがでます。
ヴァイオリンらしき物があるでしょう。ゆみはありませんので 兄がよくやってたように
思い出しながら ひくかっこうだけします。弦楽四重奏 しりませんよ 言ってみただけです。
レコードはまわってるふりをしてもらいます。
夏のアトリエは それだけで汗だくです。