NEKO美術館 成瀬憲子

この絵、好きです。何故、このような線でこんな味のある絵が描けるのか、立体的になってしまうのか、不思議です。

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この絵ですか？そういわれてみると　何か不思議な絵ですねぇ。

実はこれは　前の話で忘れてしまったんですけど　わたしは白いしゅるしゅるとした布に墨かなんかを最初筆でぬろうとしたんです。ところがこの布は水彩や墨をはじいて　相手にしてくれないんです。

でその布を裏返しました。

すると義父の晩年のように　魚とか、かわいい生きものが　浮かんでは消えして行くんです。山まであらわれました。

そしてこの布のしわが　Fさんがいわれるような　微妙な立体感を出して来たという訳なんですよ。

その白い布の束は　きょう捨てる運命にありました。シンクロニシティーではないですか？大阪で何枚もひろってきたしろものなんです。もうわたしは「こういうあそび」はしないだろうと思いまして　ゴミ箱に何年か振りに　ほうりこもうとしたとたん　光り出した訳で　これが「捨て身の　ひかるもの」というわけですわ。

夫にも「一回それゴミ箱に捨ててもらえませんか」とお願いすることがあるんです。「つまり捨てる時に　ものは光り出す」

カンディンスキーもそれについては言っていないようなんですが（笑）。

ま　そういうわけですが　違う絵だとしたら　おそれいります。

さいならさいなら