タイル NEKO美術館発
大阪時代 ごみひろいで タイルを見つけたときは
わおーっと 思った
その数が尋常じゃなかったから
それも まっしろでもなく 黄色というには ちょっとちがう
薄いかすかな模様がある
ぜんぶ同じもの
まえはつるっとしてる
うしろは 線があって さわるとざらざらしてる
わたしは それでも この大量のタイルに 惹かれてる
自転車なのよ どうにかしてよ
3分の1でもいっぱい
これで何をするのよ
そういうわけで タイルは我が家で ねむった
たくさんの拾い物の下でね
初めて出合う こういったものは よく
むりやりねかされるの
どう接したらいいのか まだわからないのよ
このタイルと再会したのは 何年もしてから
おどろきよね
私は集めたものに 再会する義務があるの
こんどは えんぴつで 裏側を すーっとなぜてみたの
「かすかす」そんな音がする
おもては マジックか油絵の具かそんなんじゃないと
つるつるして相手にされない感じ
「かすかす」しばらくそうやってた
意味もない行為
それから おもてに新聞をはったり 油絵の具でいたずらしたり
それが これ
でもね ぜんぶ 「かすかす」ってやってたら
それが 名作だったはず
今はそう思うの
長い? 私のはなし