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フランク

音楽と文化 河上徹太郎 創元社 昭和13年

フランク

 フランクの作品は寡作でしかも難解である。それは「いうべきことしかいわなかった」所の天才の仕事として当然のことである。その最もポピュラーな曲をあげるなら、五指を屈するに足りる位であろう。試みにわが国の洋楽レコードのカタログの中にありそうなものを思いつくまでにあげてみても、ピアノとオーケストラの「交響変奏曲」、ヴァイオリンとピアノの「イ長調ソナタ」、ピアノ独奏曲の「プレリュード・コラール・及びフーグ」それから唯一の交響曲ロ短調、その他に強いてあげれば、二つの交響楽詩「呪われた猟師」及び「プシシエ」くらいのものであろう。
 しかもそれでよいのだ。フランクの精髄は全く以上の中にあるし、またフランク好きの人はこれだけの作品にたまらなく愛着を感じている。そしてあらゆる天才の作品は、一、二節を聞いただけですでに、あれはショパンだ、とか、あれはベートーヴェンだ、とか感じさせるものがあるが、フランクの音楽にはその何処を切っても終始ねちっこい、ほとんど体臭にも比すべき個性的なにおいが潜んでいて、それがフランク・ファンを一挙にして魅了するのである。特にわが国の聴衆の中にはフランクはなかなか根強い人気を持っているが、それがなぜかということを考えるについて、あるいはわが聴衆の偏好をいくら指摘しても構わないが、すくなくともそれによってフランクの優れた本質を傷つけて考える訳にはゆかないのである。

***

わたしはフランクのことをまったく知らないということを まえにもいったと思います。
だいたいバッハでもリストでもつづけて演奏されれば 「ねえ バッハまだやってるの?」ぐらいな者です。
そんなわたしが なぜ こういうところにかかわっているのかというと 昭和13年に出版されたこのボロボロの本に偶然出合ったことと 昔風の文字 はじめて知る音楽家のことがこの本を通して(曲を通してではなく)面白いのです。ほかにも理由は出てくるかもしれませんが。

 今までがそうであったように やがて こういう音楽家の名前と曲に出会ったら わたしは 「しってるぜ」とすこしうれしくなることもありましたし これからもあるでしょう。

「フランク好きの人はわずかこれだけの作品にたまらなく愛着を感じている」
河上さんは 書いていますね。
こんなことわたしもいわれてみたいなぁ そう思います(笑)
「フランクの音楽にはその何処を切っても終始ねちっこい、ほとんど体臭にも比すべき個性的なにおいが潜んでいて、それがフランク・ファンを一挙にして魅了するのである」
「ねちっこい」ふむ どんな曲なのよと(笑)

さいならさいなら
《 2016.05.21 Sat  _  1ぺーじ 》