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ヨーロッパからの手紙

フーフー通信 ヨーロッパからの手紙 夫 1985

 ナザレでまず目につくのは、黒い帽子をかぶり、黒い服、黒い短かなスカートをはいた女たちの姿です。Uさんは、こんな黒づくめの、それもまさに生活感を体全体からただよわせている太ったおかみさんたちをパチパチとカメラにおさめ歩いているわけですが、確かに、ここの女たちは、ドンとした存在感があって、絵になりやすい対象であることはまちがいないでしょう。この女たちは僕たちの目にも日々の生活の中で立ち働いているのはわかるのですが、わからないのは男たちです。今僕はホテルの近くのカフェでこうして手紙を書いたり、ぼんやりと周りを眺めたりしているわけですが、実にこのぼんやりとカフェやバーで暇をつぶしているようにしか思えない男たちがやたらゾロゾロと目につくのです。こちらでは昼の休みが三時間ほどあるというのも、こうした男たちの中で誰がその昼休みをとっているのか、旅行者の目にはわからなくさせる理由の一つかもしれません。この町では人々も、のんびりとした顔をして時間をもてあましているせいか、犬までも、のんびりブラブラと町なかを散歩しては、ヒョコヒョコとカフェに入ってきては、客の足もとでしばらく腰をおろし、再び、散歩をはじめるといった具合です。
実際、この犬の様子は、ここに来てまず目に入るもののひとつです。日本のように鎖につながれた犬は見かけず、熊のように大きな犬だって、人に恐れられることなく、通りを歩き、カフェに入って来るのですから、こうした様は、ここでは犬も市民権を保持しているといったほうが納得できるかもしれません。このまず目に入るものの他のひとつは、カフェやバーなどでは、タバコの吸い殻や、口ふき紙がみな足もとにポイポイ捨てられていることです。特にカウンターの下などは、こうした紙くずでまるでゴミの山です。(パリのカフェでもポイ捨てはしていたけれど、このポルトガルやスペインでは、そのさまは、もっとはなはだしい)前に書いた犬のウンコやこのポイ捨てなど、僕たちにはふだん馴染みのないものですが、もう一つ上げれば、パリのカフェに入って時々目にしたトイレです。男女別のないトイレのドアを開けて目の前にするのは、直径10センチ程のまるい穴だけ。しばらく男も女も大きいのをする際、どちらを向いてしゃがむのだろうかと考えてしまいます。

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私がこの「ヨーロッパからの手紙」を読んでいて ちょっと夫を見直したのは 旅行記が面白いということです。夫のことをほめると 親バカじゃなくって夫バカっていうんでしたっけ? 
その場所に行って 見ることなすこと めずらしいものでしょうが そのことが事細かに具体的に書いてあるからです。この旅行はかなり長いもので ポルトガルの生活をゆっくり観察できます。
わたしだったらカフェで写真などせかせか撮りまくっていたかもしれませんね。
夫はぼんやりとその時々に身を任せられる人なんですね。
ナザレでの黒ずくめの女性はご主人を亡くされた方じゃないの?そうだとすると結構...
そうだ、ハデな明るい色調のっ服着てたら 噂されるかもね「あの女 なに ご主人を亡くしたのに あのかっこう」なんてね。すんません想像してしまいました。
男がゆっくり外のベンチで世間話したりして 時間が来たら嫁さんのいる家に帰るのは
他の国でも あるようです。テレビで見ました。逆に日本では そういうことがやりにくいし うなだれた老人にうつるのは 実は悲しいのかも。でもゲートボールやマレットゴルフの老人はいますよ。そこらへんにうろうろする老人 いますいます(調子にのったらいけませんね)
外国だって まだまだ実際のところはわかりませんが 熊のような犬がうろうろしてたら
日本やったら 騒ぐやろなぁ。ゴミの一つも二つもおちてるところの「おうようさ」ってええのかも。お国柄ですね。


《 2016.05.05 Thu  _  思い出 》