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ピカソとその周辺

『ピカソとその周辺』フエルナンド・オリヴィエ著 佐藤義詮訳 昭森社 1964

洪水にあったアポリネール 続きです。

 マックス・ジャコブは一人こつこつと仕事を続けていた。その頃、彼は最初の詩集<浜辺>を出版した。これはふるいブルターニュ語から翻訳したブルターニュの詩集だと、彼は言っていたが、彼独特の詩的想像の産物ではないかと、私たちは思っていた。
 予約出版だったこの第一詩集は、恐らく彼の最も良い思い出の一つである。彼は、それを出版するのに必要な基金を集めるのに、ずいぶん苦労した。私の思い違いでなければ、彼が署名を見たがっていた予約申込書は六フランだった。
 ピカソが転居した当座、数日の間は、マックスの消息が不明だった。
 友人の気まぐれは馴れていたものの少し心配になって、ピカソはラヴィニャン街を登った。行ってみると、かれは重病で、暗い部屋に寝たっきりで、門番のおかみさんがつくってくれる煎じ薬でかろうじて手当されていた。
 ピカソは彼を自分の家へ来て看護を受けるように決心させるのに、ずいぶん骨が折れた。私たちは彼のために、画室に寝台を入れた。
 彼は自分の嫌いなものは一切口に入れようともしないが、衰弱しているのに、愛想がよく、快活で、可愛くもあり、同時に憎らしくもある病人だった。
 彼が全快した時、私たちがした心配を振り返ってみて、私たちはどんなに彼を愛していたかが、はっきり解った。

***

世界の美術「ピカソ」の解説を読み終わって 再びフェルナンド・オリヴィエの「ピカソとその周辺」にもどってきました。
これは世界の芸術家ピカソの作品の解説ではなく ピカソとその彼女のともだちの私生活を書いたものです。若かりし頃のピカソは友達思いのところもあり 彼女もなかなか魅力的な女性ですね。
マックス・ジャコブはピカソのところにつれてこられて 介抱を受けています。
洪水にあったアポリネールのことはまえに打ちましたが おぼえてますか?私も忘れました(笑)
こういうところを読んでると ピカソはこの時代のことを一番なつかしく思ってたんじゃないかと思ってしまいます。

さいならさいなら

《 2016.04.22 Fri  _  1ぺーじ 》