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ピカソ

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世界の美術 ピカソ 1963 河出書房
<鶏>1938 パステル 67x47cm

キュビズムの本質の続きです。植村鷹千代著

 また、機械時代がダイナミスム(動き)の感覚を現代の人間の精神と感覚に浸透させてくるに従って、リズムに敏感となり、リズムは現代人の感覚の重要な特色にさえなってきている。そしてリズムは別の言葉で言うと時間の意識であるが、スピードは自然に、視覚的印象を静的なものから動的なものにする。たとえば、自動車や電車の窓からみる風景は、動きと速度の要素のため、複数の視点からのイメージが重なり、自然にダブル・イメージの形になるわけであって、岩角にこしをおろして眺める静的な風景のイメージとは、本質的にちがう。20世紀では、日常のイメージの実体はむしろこの複合体が自然であるが、これを科学的な言い方ですると、「同時的時間性」とか「第四次元的空間」とかいうキュビズムの空間になってくるのである。人物の顔の正面と側面を同時に表現するやり方も、作者のほうで対象の周りを動いて視点を複数にしたら当然こうなる。つまり時間が参加するわけであるが、実際にわれわれがある友人の顔について印象を形成する場合のことを考えると、それは「同時時間性」にもとづいたものであって、正面や横からの視覚的印象の複合として成り立っているのである。だが、19世紀の絵画の法則は、こうした表現を許さなかった。ただ、子どもは絵画の法則を知らないから、ピカソ流の絵をピカソ以前に描いたまでである。

***

なぜ ピカソが子どもの絵にひかれたのか。
彼らの絵は 自由そうに見えるし 純粋だし そういうことで大人の絵しか子どもの頃から描かなかったというピカソは そういうわけで 子どもの絵を描きたかったのだと ずっと私は思っていました。
しかしここの文章を読んでいくに従って 19世紀の絵画では許さなかった法則 つまりピカソの描き始めたキュビズムの本質のところを 実はすでに子どもはもっていたのですね。大人め!油断しておりましたな(笑)
そして ピカソは意識していたのかどうかはわかりませんが 自分がやっていることが「本質的にこどもとの共通こうがあるのだ」と 感じてたのかも知れない。
んもう ピカソは。子供の絵もう一回見てみよ。キュビズムあるかな。

キュビズムというものの説明も結構分りやすく書いてありますね

さいならさいなら
《 2016.03.28 Mon  _  1ぺーじ 》