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里帰おたより

スキャン2021.jpegしーちゃんからもどってきたわたしの里帰りおたよりです。
末っ子がおなかにいるころの話です。

寒い寒い。
体中がこわばって つわりもことのほか苦しく 家の中はけっこうごたごたしていて もうかなわんというところです。
夫は うつろなわたしとはうらはらに
やっと油がのってきたかんじで えらいはりきっています。まぶしいぐらいです。
つわりも少しはましになってわたしも
夫をまぶしいというばかりじゃいかんですよね。せまい台所をちょっとはかたづけて テーブルの前に坐る練習です。

とにかく 体が第一だね。しんどいと ぷーっとむくれて いん気 いんしつ ひどいもんです。
こどもらも(そのときは4人)石から鉄へ、重くなる一方。みんなが暗いのです。前途多難。うっつー〜

わたしの妊娠中の特徴はね 食べ物の味がよくないこと にがいというか 味が無いというか。食べることがいかにわたしの楽しみであったか ここ数カ月それになれるのに苦労しました。

宇野千代の毎日新聞の人生相談 はなしはかわりますけど 面白いですね。
相手に 言葉を適格に伝えること この作家はすごいですね。八十をすぎているんでしょ
すごいなぁ。
わたしも 夫やこどもやごちゃごちゃいるけれど 自分自身のことも もっと考えたいわ。
義父がこんなことをーー「ひとりでいる孤独というのもあるけど 多くの中での孤独はもっとさびしいなぁ」なるほどなあ。

こういう話もありました。東京の会社で重役までした人が 定年退職してその後の歩み方がわからなくなって 弁当さげて公園でウロウロなんてこともあるんだってね。
 いつまでもエネルギーだしてやれること 本気でつづけないかんなあ。

***

しかし いまでもわたしの心配性は健在ですけど つわりのときに ためいきつきながら
大阪での仕事をやめてふるさとに帰ってしもたしーちゃんに この「つぶやきのりこ」は
つわりで自分のことしか考えられへんやったのかなあ。夫がイキイキしてくると よけいに自分はばさばさしてきたりね。そこにおじいちゃんの「つぶやきみつまさ」がよこぎり
元重役の話まで持ち出してきてね(笑)
たしかしーちゃんも せっかく服飾の腕が上がってきたところだったのに帰らなければならなくなって うつろだったかもしれません。山陰の寒い海とで これは演歌の世界かも。あのころしーちゃんはふたたび30代で帰ったふるさとの様子をうまく書いてました。うまくかこうとしてないのにとても伝わってくるのでした。ずっとまえにこのNEKO美術館でも打ちましたよね ぱたぱたと。
あのころ手紙は シェファーのペンで書いていました。

しかし今ないた 「ぴっ」という鳥の声。感心するなあ ほんまに明るいんです。明るい言葉を喋ってへんのに明るい。寒いのにね。何の話です?
上のスケッチは大阪の交野市の踏切。線路の直ぐそばに家があったんです。その頃の手紙です。





《 2016.03.01 Tue  _  おたより 》