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ゴーグ

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『印象派時代』 福島繁太郎著 光文社 昭和18年の続きです。

ゴーグ パリ時代

 モンティセリーの芳醇なる色彩に感動して、その影響の認められる花を描いたこともあった。印象派の色彩の殉欄(じゅんらん たいせつなこと)には驚喜した。当時のアラモードであった日本の芸術、特に浮世絵版画の簡潔なる表現と美しい線とにも魅せられた。
心酔したあまり広重やその他の版画を油で模写したこともあった。タンギーの肖像のバックにも浮世絵が描かれている。彼のアルル時代以後、ゴーグになり切ったときの表現の簡潔さ、色彩の単純さ、物の輪郭を線で表すことは、浮世絵よりの暗示によるものであろう。構図にもある作品にはその影響が認められる。ゴーグは泰西(たいせい 西洋)の画人にして浮世絵の影響を最も強く受けた一人であろう。
 パリ時代の後半においてがぜん画風は一変した。オランダ時代の憂鬱は吹き飛ばされ、色彩は明るくなり、しばしば原色を用いた。オランダ伝統の明暗の調子で描くことを棄てて、色彩で描く方法をとったのである。彼もその手紙において
「......明暗と色彩とを同様に大切にする事は不可能である.....人間は同時に極と赤道とに立つ事は出来ない。必ず自らの道をいずれかに選ばなくてはならない。自分にとって旨く成功するもの、及び自分の選ぶべき道は色彩の道であろう....」
とはっきり意識して色彩の道をとった。

***

「.....明暗と色彩とを同様に大切にする事は不可能である....人間は同時に極と赤道とに立つ事はできない。必ず自らの道をいずれかに選ばなくてはならない。自分にとって旨く成功するもの、及び自分の選ぶべき道は色彩の道であろう....」

いやあ 明暗のオランダを意識してこそ この「色彩を選ぶ」という言葉 すごいなあ。
ゴッホはただひたすらに 狂ったように 描き続けていた人だと 私は思ってたんじゃない?

日本の浮世絵は パリでえらい人気が出てたんや。そんなこと知ってた日本人はほんの一部の人やったのかなあ。「聞いてびっくり玉手箱!」 なんでこんなことばが飛び出してきたんやろ。そのころの日本人は 油絵なんて みずしらずの絵の具ちゃいますのん?
それがゴッホはんときたら 油絵の具で浮世絵版画の模写。 「表現の簡潔さ 色彩の単純さ ものの輪郭を線で表すこと」このことにすっかり魅了されたんやね。

私はゴッホの絵で何が好きかって この輪郭線でした。こういう事を知らない十代の頃です。これって すっきりしますんです ほんま。その入れ方も油やから 浮世絵よりちょっと おぼつかないというのか そこがまた好きで。浮世絵版画をまねたものより アルルなんかの木の輪郭線を描いたときが いいなあ。
アラモードってどういうこと?
なんかここんとこを読んでると 「わたしも 色彩の道をえらびます!」なんて宣言したくなります

さいならさいなら


《 2015.12.17 Thu  _   》