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ドビッシー

『音楽と文化』河上徹太郎著 創元社 昭和13年の続きです。

ドビッシー

 ドイツ浪漫派音楽の衰退と入れかわりに起こったフランス近代楽派の勃興運動は、だいたいにおいて音楽史の上で近代の扉を開いたものとはいえ、ドビッシーは必ずしもその先端に立ったものとはいえない。ダンディだのシャブリエ、フオレ等の巨匠が盛んに仕事をしていた上に、グノーやビゼエやマスネーのごときオペラ作者も一概に通俗作家としてみることの出来ないものを持っていたし、それにアルベール・ルッセルやエリック・サティ等の生粋の近代派も年代的にいって並んで仕事を始めていた。そのなかでドビッシーの出現が断然輝かしい光芒を帯びているのは、その仕事の歴史的重要性よりも遥かに多くその個性の優れていたことによるのである。
彼はベートーベンやワグネルのごとき偉大なる魂ではなかった。それよりもただ激しい詩人の純粋さを持っていた。従って彼がなんらか「運動」を起こしたとすれば、そえは恐らく彼が心になく後にのこした彼の影響のせいで、すなわち後からドビッシーと呼ばれる後継者の形づくった傾向が、彼の創始した「運動」に擬せられるのである。ただしそれだけにこの傾向は何にも屈せず、またなにをも模せざる、高度に独自な革命なのであった。

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「ドビッシーのすごいところはその仕事の歴史的重要性よりも遥かに多くその個性の優れていたことによる」とありますね。ドビッシーの曲を一回聴いてみなければね。
「激しい詩人の純粋さを持っていた」
Rosemary Brownのところでは(まえにも書きましたね)「ドビッシー(1862−1918)フランスの作曲家。機能よりも響きの感覚を重視した和声の用い方と、全音音階(1オクターブを6等分した、半音を含まない音階)などを駆使して調性感を薄めた施法、比較的自由で斬新なリズムなどによって、それまでになかった微妙な雰囲気と色彩感に満ちた音楽をうみ出した。近代音楽の祖とみなされている。文学への関心が高く、象徴派の詩人たちと交流した。歌曲やピアノ曲、室内楽曲、オーケストラ曲、オペラなど、作品はたしにわたる。」とあります。

私はドビッシーと書いていますが ドビュッシィーとこの本では書いてあります。

音楽は後の人が演奏したり解釈したりするものなんですね。

さいならさいなら
《 2015.10.29 Thu  _  1ぺーじ 》