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1ぺーじ

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『印象派時代』福島繁太郎著 光文社 昭和18年の続きです。


ロートレック 
ポスター

 ロートレック芸術がまづモンマルトロアによって鑑賞された事はすでに述べたが、ムウランルージュの支配人は彼にポスターを依頼することを考えついた。(1891年)この企画は成功した。ラ・グウリゥの踊っているポスターは数千の群衆から嘆賞(たんしょう)されたので、ポスターの注文が殺到するようになった。 
 ポスターの歴史はあまり古くない。有名な画家の手になるものでは1862年のドウミエの石炭屋のポスター、マネーの1868年の猫に関する本の出品広告。(黒猫と白猫が月下の屋上にいる図)などが最初のものだが、単色刷りの小型のもので、遠目がきかずポスターとしては幼稚なものだった。
 1880年代になってジュウル・シェレという人が多色の石版刷りを用いて、本格のポスターらしくなってきたのである。
 ロートレックはポスターを片手間の仕事と考えず油絵同様な気の入れ方で、幾多のクロッキーを試みた後、油でボール紙に下絵を描き(イヴェット・ギルベールの絵はその一例だが)更に自ら石に制作して多数色のリトグラフをつくるという有様であった。ポスターにおいては浮世絵版画の影響が特に顕著である。浮世絵版画はロートレックに大いに影響を及ぼしたと一般にいわれているが、作品を検討してみると、油絵に関する限りではその影響はさほど大きいとは断じられない。少なくともその影響はそれと指摘されるほど表面的ではない。彼は過去の電灯に反逆したり、まだ開拓されない領域に新しい領地を開拓する意志は少なかった。ところがポスターにおいては、従来彼ほど有能の画家が手を付けなかった芸術の分野だけに、彼はたしかに新境地を開いている。浮世絵版画の単純化されたすっきりとした輪郭の線、それらの線まで濃淡もなくただ一色の色彩のかたまり、輪郭を強調する色彩のコントラストなどを巧みにポスターに取り入れて新機軸を出し、従来卑俗なものとされていたポスターに芸術性を与えた事は彼の功績である。

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「ポスターに新機軸を出し、従来卑俗なものとされていたポスターに芸術性を与えたことは彼の功績である」

そうですか ポスターだって伝統的な油絵だって 絵画にはちがいないのですが 値打ちをつける画商や研究者や鑑賞者にとってポスターは芸術性からは離れていたんですね。
今でも少しはそういうところがあるかもしれませんよね。だけど今はグラフィックデザイナーっていうんですか かっこいい職業でもありますね。みんななりたがるから競争率は高いでしょうね。

ロートレックは自分のポスターが人気が出ることに 生き生きできたのかもしれませんね。それに卑俗な表現は このポスターの世界に許された事かもしれないでしょう。
彼の絵の世界が広がるというもんでしょう。その上 他の画家達もそうなりはじめたわけで ロートレックえらいわ。でもかれはそんな使命感など持ってたかなあ?
浮世絵版画の影響は油絵に関する限りではあまりなさそうだと福島さんはいっていますね。
上のロートレックの絵はポスターと関係なさそうですね。彼が飼っていた犬なのかそれとも。わん!

さいならさいなら
《 2015.07.09 Thu  _  1ぺーじ 》