Sちゃんの2015年3月の手紙です。
Sちゃんは91才のお母さんと一緒に暮らしています。
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NHKのおしゃれ工房を見ていたら可愛らしい熊のぬいぐるみの作り方をやっている。
出来上がっていく様を見ていたら ふっと この熊に着物を着せたら可愛くない?と思った。 母にこの熊に着物着せてみたらどうやろ と。 熊作るから(私が)。
本を買った来て大急ぎで作り 母に渡しておいたら 仕立て屋をしていた母は 熊を手にとりにらんでいた。 絹の布は出しておいたのでさっそくとりかかった。「作り方もメモしておいてね。」「着せ替えが出来るようにね」
頼むことは全部頼んで これで母のボケ防止になるのではと。
母はこのプランではのりにのって 毛糸で編んで セーターの上下・シャツ・パンツと思い思いに作って こちらがびっくり。
母も91才 今のうちに母も利用させてもらって 母の世話に明け暮れしてます。
憎まれ口もたたきます。「自分も見えないくせに」「云っても なかなか材料をそろえてくれない」など自分の妹に告げ口したりします。
仲良し親子のように見えても なかでは権勢の戦いです。
「いまのうちいまのうち」とおもったり、「いつまで続くのか」と思ったり 複雑な所です。今日この頃の話です。
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Sちゃんおたよりありがとうございます。
うちは親子の攻防は おわりましたが その大変さはよくわかります。
着物をきたぬいぐるみ ありそうで案外ない発想かもと思いました。91才のお母さんがSちゃんの提案に知恵をしぼる姿は いいなあ。うちのお母ちゃんだって編み物や縫い物
やっていた人なのに Sちゃんのようにちょっとアイディアを見せてあげれば もっと楽しめたはずだったのにね。今頃になって反省している私ですが もう一回こういうチャンスがあっても 同じことしそうです。
ぬいぐるみだけSちゃんが作って あとはおかあさんに頼む お母さんがんばるやろね。
このぬいぐるみの写真は これで二度目ですね。手紙だって二度目なのかしら。もしそうだとしたら わたしは65才にしてやばいですよね。
なにせ その日にアップしたことはほとんど思い出せないのです。それはこういうことをやる上で 結構いいことだと思っていますので 振り返らないことにしているのですが・・。
Sちゃんは親子で権勢の戦いですと云ってますね。
「うちもよ!」と手を上げる人は多いんじゃないでしょうか。老人たちと一緒に住んでいる頃は おたがいグチのとばしあいだったようでした。私たち夫婦はすぐ外出して「老人は大変なのよ」と友だちの所でグチをいいました。「あいつらはすぐ二人して外出しよってからに。一人づつ行け」とか老人たちも文句を云ってました。帰りを外に出て待ってたりね。でも、こうして二人がいなくなって はじめて思い出をゆっくりかみしめているなんてね。そうこうしているうちに もう私たちの番でっせ。
老ねこのムラカミ記者だって(うちのこの前死んだねこなんです)おむつして 目が見えなくて 加齢臭はするし 朝は早起きで 大声で呼ぶし やれやれと思いましたが。
みんなそれまで一生懸命生きて来た人たちなんだから ええことだらけだといいんだけど
ね。Sちゃんは よくやってると思いますよ。そんなアイディア出すなんてレベル高いわ。それに答えるお母さんもすごいね。いっぱい感心したところで きょうはおしまいにします。
おたよりおまちしてます