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『ピカソとその周辺』フェルナンド・オリヴィエ著 佐藤義詮訳 の続きです。
この文面の後にすこし文章があります。 虫眼鏡をご用意願います。


 ピカソと同じように、彼もパイプをふかし、いつでもそのパイプを口にくわえるか、手に持ったまま、とてつもなく馬鹿気た話やおどけた話を、勿体振って話すのだった。
 しかし彼は自作の詩を朗読することが好きだったが、その読み方の何と下手くそだったこと! 何と一向にその詩を引き立たせるわけにはいかなかったこと!それでいて私たちを感動させる時さえあった。
 今でも彼の姿が目の前に見えるようだ。腋(わき)の下に一束の古本を抱え、手には諸所方々で幾スウか出して掘り出して来た古い版画を持って、いつも忙しそうにやって来た。自分ではいつでもすばらしい買い方をしたつもりだった。時には、地下鉄やバスの腰掛けに、買ったばかりの本を一冊忘れてくるようなことがあった。
 しばらくの間私はピカソを訪ねなかったので、その日晩になったら会いに行くつもりだと知らせておいた。私の推測では、彼の友人たちが汚して行った後のアトリエのことを考えてか、ピカソはあまり気乗りがしなかった。一体どうして掃除をすればいいのだと、彼は悲鳴をあげた。するとギョームは例の人の好さそうな微笑を浮かべて、それは自分が引き受けるから心配することはないと請け合った。その実、石油で床を洗うほかには別にうまい方法も考えつかなかった。いざこの作業が終わると、彼らには臭気が堪えがたいことに気がついた。そこで、悪臭を消すためにオー・ド・コローニュを振り撒いた。これらが混ざって発散する臭いを読者にご想像願いたい!

***

1904年はピカソ一党にとってはとくに景気の良い年だった。と書いてありますが みんなは酔っぱらったりして騒いでたんですね。夜中にピストルをぶっ放す癖のあった
ピカソ。ぶっそうなものをピカソは持っていたんですね。
 ギョーム・アポリネール いささか梨のような顔 このピカソの描いたアポリネールそのものですね。洋梨でしょう(笑)詩人ですね。 マリーロランサンに恋した人でしたね。
そうなんですか・・私はもっと神経質そうなやせた人かと思っていました。 でもこうした思い違いが意外でいいんですよね。
オリヴィエのアポリネールの人物像は面白くて ていねいでいいですよね。これでアポリネールのことを想像できない人はいないでしょう。さんざんアポリネールのことを褒めた後 「しかし彼は自作の詩を朗読することが好きだったが、その読み方の何と下手くそだったこと!何と一向にその詩を引き立たせるわけにはいかなかったこと!それでいて私たちを感動させる時さえあった。」そう書いています。
また掃除を請け合ったアポリネール、汚れているピカソの部屋を石油でふいて その悪臭を消すためにオー・ド・コローニュを振り撒いたけれどすごいにおいになったという話も 想像してしまいます。 かの「セーヌはながれる・・」の詩人アポリネールが朗読がとびきりへたで どじなところもあったなんてね。 こんなエピソードはオリヴィエにしか書けなかったでしょう。オー・ド・コローニュですよ。マリーローランサンはドイツの貴族かなんかとアポリネールと別れて結婚するんですよね。そのドイツ人貴族はアポリネールよりかっこよかったと思うのは私ばかりじゃないと思うんだけど。

さいならさいなら


《 2015.03.30 Mon  _   》