『ピカソとその周辺』フェルナンド・オリヴィエ著 佐藤義詮訳 昭森社 1964年発行 虫眼鏡をご用意ください。
この本は 若い音楽をやってる Rくんのお祖父さんが翻訳されたものです。Rくんのことは前に書いたと思います。ひょんなことからお夫せいが知り合った男性です。
フェルナンド・オリヴィエといえば ピカソがはじめてパリで見つけて一緒に暮らした 恋人だと思います。 ピカソは多くの女性と知り合いましたが 妻や恋人たちの ことを絵にしています。「こと」っていうのかなあ ビジョンと言う人もいるよね。
この文面の前にこういうふうに書いてあります。
画商クロヴィス・サゴー
邪魔されるのを避けるため、ピカソは夜中に制作し、明け方に床について、昼過ぎ遅くまで眠っていた。たまたま午前中に起こされでもすると、その侵入者がたまたま画商である時でさえ、彼はおそろしく不機嫌だった。
ところが、ある日のこと、ピカソは一文無しになり、絵具も画布もなくなったので、サゴーを訪ねて行って、彼のアトリエに立寄ってもらいたいと申し込んだ。
サゴーは、この申込の裏に潜んでいる意味を、経済状態がどんづまりにさし迫っているということを、よく承知していた。
サゴーはピカソと一緒にアトリエに来て、三枚の習作を選択した。 座っている二人の辻芸人を描いたかなり大作のボール紙のグワッシュと、花を盛った長い籠を手にしている数人の小娘を描いた油絵と、その主題は忘れたがもう一枚。サゴーは全部で七百フラン出すと言った。ピカソは拒絶した。
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画商クロヴィス・サゴーと絵の具と画布を買いたいピカソとのやりとりは 興味深いですね。
ピカソも画商からこんなふうにして 足元をみられてたんですね。 有名になったピカソは ぬけめがないところがあるようでしたが。 こういう経験はその後のピカソに影響をおよぼしたかもと想像すると面白いですね。
クロヴィス・サゴーという画商、なんだかはじめて聞いたような。
この本は 白黒写真がかなり入っていて 前にぴーさんが マリー・ローランサンとその恋人アポリネールの話のとき 送って下さったローランサン筆のピカソ、ローランサン、アポリネール、オリヴィエと牝犬クリカの絵ものっています。 ピカソが描いたオリビエもね。
サゴーはあまりにも勘定高い気性だったけれども また絵画そのものも好きだったとオリヴィエは回想しています。そして金儲けのブルジョワをピカソたちに結びつける事を知っていた。 かけだしの画家の作品を その才能を見抜き 作品を買いたたく。そのことが結局ピカソを押し上げる事になったのですから なかなか忘れたらあかん画商ですね。
この本は ピカソがまだ何者でもなかった頃を書いているのでとても面白いです。
もう一度 読んでいるところです。
ピカソのまわりにはアポリネールとかマリー・ローランサンとかルソーと いろんな詩人や芸術家がいます。みんなまだ名がうれておらず わいわいと集まって芸術の話などやっている。こんなところが一番おもしろいでしょう。
ではいずれまた さいならさいなら