『植草甚一コラージュ日記』の続きです。
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一月二十八日・水・ファインウエザー。九時半に起き池波正太郎をすこし読む。(前)
明大前に出て小林書店で時代物参考書など五冊買った。 寝ながら藤原審爾「罪な女」を読む。面白い。三つ目で電気をつけたまま眠ってしまった。(後)
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植草さんは仕事柄なのかそういう人なのか、池波正太郎でも少しづつ読んでますねえ。これ楽しい事は「すこしづつ」、いやなことは「いちどきに」の人なんでしょうか。こういう仕事ぶりを見させてもらうとそういったことも聞いてみたくなります。(あちゃらまで行くんか?) スイング・ジャーナル社にいくにはどうやっていったのが一番近道なのか、これだけ複雑に電車や道があるとそうなるんですかねえ。 丸の内で、面接時間がすでに過ぎてるのに、道がわからずに泣きそうになったことがある。それだけでも私を落とす理由はしっかりあるのにその会社の人は待っててくれた。そんな思い出がわたしにはあるんですが、にがすぎて、絶望的に今でもなる出来事です。 植草さんはもう仕事のベテラン、寄り道したりしながらも待ち合わせ時間には間に合う、そんな人だったのかなあ。でも学生時代には絶望的な時、あったかもしれないですよね。近道が途中でわかった、などと言いつつエスプレッソがあるコーヒー店の看板をみつけると入る。タフな余裕が感じられて、なんでも続けるとこういうふうになれるのかしら。 誠志堂がない、元の場所が新ビルになっていた。でも新しいビルの中で買ってるまた。ビル新築記念の絵入りホープ10個入をくれた。タバコが記念品だよ。これは時代。今はきっとない。 東京タワーの側にジャーナル社があるんですか。まあ、いまもあるとは限りませんぞ、東京ですもん。加藤サン、渡辺サンええっと、植草甚一全集、できるんですか。楽しみだなあ(もうできてるって。今じゃあ捜さなあかんわ)。児山さんやら安藤サン(いっぱい出てきますね) ADLIB三冊、単本社三冊、植草さんのズックバックに入れたくれる。(担当さん、本の体重のこと配慮に入れなきゃ、けっこう体力の問題ありますから、はい) 植草さんタクシーで帰ったのよ。(誰に向かって話しとるんじゃい)くたびれましたねえ。 糖尿のほうは大丈夫ですか?
一月二十九日
やったあーFINE・CLOUDYや。よくぞ曇ってくれました。「暮らしの設計」、「暮らしの手帖」じゃなくて? EATINGの原稿ペラ、どんなEATINGでしょう。 それから歯がガタついたんですね。疲れるとガタつきますよね。歯医者が風邪ひく、なんも不思議な事じゃないですけど、植草さんの歯はガタついたまま(植草流だからしかたないですよね)。それでもめげずに、アメリカ文学史の古いところが五冊有るので買い求める(ある意味すごい!)。「安い」の感謝も忘れずに。 すこし先のディスカウントショップで「アフリカの女土人が鼻からケムリを出す」灰皿を買ったら五百七十円のを四百円にしてくれた。ふむ、笑っていいですか植草さん。(どんな灰皿やねん)それに、植草さんは値段に位の「高い低い」はないですね。この人ええ性格かも。 明大前、小林書店で時代物参考書など五冊(家計簿つけてるみたいです)。寝ながら藤原審爾「罪な女」を読む。藤原審爾?写真家の?あの人文章もうまいですよね。「罪な女」か。美人なんやろな、主人公。電気をつけたまま眠ってしまうくらいやから。 自転車の切り抜き入り。
また明日、さいならさいなら(淀川長治さん、おかりします)。