おしゃれと健康 vol.1 「inner cut &sew」 | atelier naruse

the an

ある日のハナシのシ

2023.11.20

おしゃれと健康 vol.1 「inner cut &sew」

みなさん、こんにちは。
さむくなってきました。
「冷えないように!」と、家族や友人、スタッフ間でも会話のなかで繰り返されるようになってきていますね。まるで、脅しのように。笑

女性にとってとくに冷えは大敵。冷えたら体調がわるくなる。逆に冷えなければ、まあまあ元気でいられる。というカラクリを、みなさん何年かかけて身をもって習得してきていることとおもいます。
わたし自身、40代になってからの微妙な体調の変化、冷えがほんとうに体調をこわしていくのだということ。このあたりこと、去年noteの「ある日のハナシのシ」で書いていたので、もしよかったら読んでみてください。

じぶんとのつきあい方①
じぶんとのつきあい方②

冷えと向き合っていく中で、インナーのたいせつさをしみじみと思うようになりまして、ついにオリジナルのインナーカットソーをつくってしまいました。


【s07011 organic cotton inner cut&sew】

すでに世の中にはすばらしいインナーカットソーはたくさんあるのですが、わたし自身がいくつかの他社製品のインナーを着ながら、もっとこうならいいのになあ。が、あったのですよね。そんなちいさな気づきから生まれた、オリジナルのインナーカットソーを、なんと2種類、つくってみることにしたのでした。

アトリエナルセのインナーは、「みえてもいいインナー」。
インナーも、コーディネイトのひとつになったらたのしいなあ。と思ったのでした。
セーターやシャツの下にちらっと差し色みたいに着ることができて、なおかつ冷えから守ってくれるようなインナーがあったらいいなと思ったのでした。
なので、あえてのきれいなカラーをいれることにしてみましたよ。

多くの既製品のインナーは表に響きにくいもの、というふうにデザインされているので、袖丈がちょっと短かったり、ネックもおおきくあいてるものが多いですよね。
みえてもいいのなら、サイズ感もみえてもいいサイズにしました。かくさなくてもいい。
着丈を長めに設定したのは、インしたときはおなかまですっぽりつつんでくれるような丈感がいいから。あえて裾をみせるときも長いとちゃんと裾がみえるから。どっちの着方にしてもいい丈感。

袖丈は、セーターやシャツを着たときにちらっとみえてほしいからふつうの長袖のカットソーとおなじような袖感にしました。
身巾は一般の既製品のインナーにくらべて「ぴったり」というサイズではなく、すこしだけ余裕をもたせた身巾感にしました。オーガニックコットンのインナーは、フライス素材なのでそれでも着ると、ジャストフィットする着心地ではあります。
でも、カットソー1枚で外にでたとしてもインナー感をかんじさせない、ギリギリのサイズ感にこだわりました。ネックのあき具合も、おおきすぎず狭すぎず。
インナーとふつうのカットソーの間にあるようなインナーカットソーにしてみました。

ちらっとみえたとき、かわいいでしょう〜。グレイとピンクの組み合わせは、とても合いますね。

ロイヤルブルー。とてもすてき。冬のブルー。すがすがしくて空気が澄んでいるみたい。

袖口からちらっとみえるブルー。この、ブルーがあるなしで、ぜんぜんちがう。
なおかつ、肌触りもいいし、そしてあったかいのですよね。

ネックは、Wステッチのバインダー仕様。しっかりと丈夫な印象。

オーガニックコットンシリーズは、4色展開。ホワイトとブラックもあります。
重ね着するとき、ホワイトやブラックはやはりいろんなアイテムとあわせやすいですね。

このオーガニックコットン、インド産のオーガニック超長綿。これとてもいい素材なんですよー。インドは上質なコットンの産地でもあります。その中でも超長綿ですからね。フシが少なく長い綿糸は、布にしたときに光沢があってきれいな面(つら)になります。
なめらかさと強撚糸のドライ感をあわせもったフライス素材なので、伸縮性に加え、適度なハリとコシを持ち合わせた、薄手でやさしい肌ざわりが特徴です。お洗濯しても斜行がすくなく、くたっとなりにくい。

かっこいいマットなブラック。
ちょっと粗めのローゲージニットなんかと着て、インナーも見せながら着てみたいなあ。
みえてもいいって、いいよね。「あったかい」を、たのしめる。


【S07010 merinowool inner cut&sew】

今回はじめてのインナーカットソーなのに、もう1種類の素材でもつくってしまいました。
もうひとつはメリノウール素材でつくったのですが、オーガニックコットンとそれぞれ着る時期や、重ね着したい組み合わせが若干ちがってくるのですよね。

メリノウールのインナーカットソー。
インナーに詳しい方は、おお、アトリエナルセでも。と思った方は多いのでは。
インナーウール。流行ってますね。大手メーカーでも去年あたりから続々とだしています。そんなすごい市場のなかに、こんなちいさいブランドがはいっていけるのー。隙間、あるのー。といいたいところですが(笑)ほそーい隙間をみつけながらつくってみたのでした。

まず、素材はとくに厳選しました。めちゃいい素材です。かなり上等。
よく知っている方なら、おお!と思ってもらえるはず。

ニュージーランド産のメリノウールを使ったフジサキテキスタイルの「Mt. Breath wool」シリーズを使用しています。
極細繊維でちくちくしにくいソフトな肌触り、ウールの持つ天然の吸湿性と保温性、抗菌防臭性があります。ウールは、この「極細」がとても上質の証。細くて繊細で、生地の面(つら)がもうとてもきれい。つるんとしている。うっとりします。
洗うと繊維が起毛してふんわりとしてあったかくなるのです。ウォッシャブルウールですが、一度目の洗濯時はやや縦方向に縮みがあるため縮み分を考慮したサイズで仕上げています(※着丈で5cm、袖丈で2.5cmほど縦方向に縮みます)

オーガニックコットンと、ネックの仕様がすこしちがいます。カジュアルさを抑えた、ステッチがみえないすっきりとしたデザインになっています。

ウールのインナーを着たことがある方は、その良さはすでにわかっていると思いますが、たぶんこちらの素材は、着てしまったら「ああこれがいい。」と言いたくなるような素材なのですね。やわらかくて、繊細で、あったかくて。いろんなインナーウールがあるけれど、着比べてもらうと実感してもらえると思います。
真冬だけじゃなくて、夏でもインナーウールはおすすめです。(ただいま春夏のインナーウールも生産中!)
夏に着ると、汗を吸い取ってくれて、速乾性があるのですよね。その上、防臭効果もあるので、登山やトレッキングをする方を中心にじわじわと、インナーウールの良さが広がっていったといいます。薄手のウールは、暑くないんです。いつでもさらっとしている。
そして冬は冬で保温性もあって吸湿性もあるから、じぶんの体温でインナーがあったかくなって、その温度がじぶんにまた返ってくる。という。よくできている!

カラーは、オフホワイト・杢ベイジュ・レッドの3色展開。
こちらのカラー展開もかなり迷いました。もっと出したいカラーがいろいろとありました。来年以降もつくることができたら、もっとカラー増やしたいですね。

オーガニックコットンとインナーウールは、それぞれで特性を活かすために、パターンも変えました。
それこそ多くのインナーウールは、もっと身体にジャストフィットするサイズ感のものが多いと思うですが、アトリエナルセのインナーウールは、みえてもいいインナーだから、たとえばネックのあきは大きくない、ちいさめ。身巾も若干ゆとりがあって、袖巾は若干ほそめの袖だけど、インナーの袖巾ではないですね。
このあたりの方向性も、パタンナーさんと一緒に何度もはなしあって決めました。

フジサキテキスタイルのウールニット地は、インナーと言い切ってしまうのはもったいない上質なニット地。
他ブランドでは、インナーではなくニットカットソーとしても使われるような素材です。
袖や裾だけではなく、ぜんぶみえてもかっこよく着れるものがいいな。とおもいました。
そこで、いいウールカットソーをつくろう。そしてなおかつ、インナーウールとしても着るとあったかくて着心地もよいものをつくろう。という視点からつくることにしました。
オーガニックコットンシリーズとは、そういう意味では着地点は一緒なんだけど、はじまりの視点がちがいます。

何年か前にアトリエナルセでつくった、かなりいい素材のイタリアのテキスタイルメーカー「Botto Giuseppe(ボット・ジュゼッペ)」で作ったウールニットがあって、当時はややタイトめなデザインだったので、ここ数年はこれをインナーウールとしてよく着ていました。これがとてもよくって、ふつうのサイズ感をインナーウールとして着たら、締め付けられず、とても着用感がいい!と思ったのですね。

インナーウールの赤がきいてる。このコーディネイト、もうめちゃあったかいですよね。
足元もレッグウォーマー履いてるしね。今シーズンのデザイン、かわいいのできたのよー

ウールのレッドは深みがあってまたいいのですよね。

カラーは、インナーウールとしてだけではなく1枚で着れる季節は1枚で着てもすてきなカラーがいいな。と思ったので、ウールといえば杢系はほしい・・ということで、杢ベイジュをいれました。
杢ベイジュとコットンのベストとあわせてみました。ベイジュとブラックとグリーンの組み合わせって、最高です。すてきすてき。

オフホワイトはこんなコーデで使いました。袖巾の若干のゆとりがいいですよね。ネックのあき具合も、ちょうどいい。コットンのホワイトよりも、やわらかくてなじみがありますね。とてもいい!自画自賛!

今回の秋冬企画がはじまったばかりの頃、一緒に作っている、スタッフのパタンナーBさんとは、それぞれいろいろなインナーを持ち寄って、どんなインナーがほしいか。という話ばかりしていました。インナーのことばかり話していて、全体のデザインが遅れるくらいでした。

インナーを変えると今までなんとなく着なくなっていた服が、復活したりするのですよ。これとてもふしぎ。
「あのインナーの上に着るなら、あの服、着れるな。」がでてくるんです。
たとえば、冬でもコットンのシャツとかね。ときどき着たくなるでしょう。ウールの厚手のコートなんかの下がシャツ1枚とかってかっこいいときがある。でも、実際にはコート脱いだ時にさむいからね、着れないじゃない。でも、インナーウールの上からシャツを着たらさむくなくなるから、着れるじゃん。となったりするんですよね。

ひとって、すきなデザインだから今日はこの服を着よう!っておもっても、あったかいかな。冷えないかな。という不安があると、冷えて体調がわるくなったりしたらどうしよう。とふと思うと、結局安心して着れる。が1番になって、おしゃれは2の次。になってきてしまうとおもうんです。
そうなると、気に入って買った服なのに、着る時期がわからなくて、着る頻度が減ってくる服ってけっこうあるとおもうんです。でもたった1枚のインナーのおかげで、そのレパートリーがちょっと増えることってあるんですよね。
ずいぶん前に買った、アトリエナルセの服なんかもひっぱりだして着てもらえたらうれしいな。

ところで、なぜにインナーシリーズは、「the an」のオフィシャルのオンラインストアのみでの販売となったか。ということですけども、アトリエナルセとしては初めてのインナーシリーズ。でも、どきどきしながら小さく船出をして様子を伺いながらつくっていきたいなあと思っているのです。なんていったって小心者のアトリエナルセ。
たいせつに育てていきたいアイテムなので、かなりの小ロット生産。となると、かなり価格もあがるわけです。とてもいいものだけども、高すぎたら手がでないというのは、それはつくる意味もなくなってしまう・・という葛藤がありました。何度も話しあった結果、オンラインストアのみでの販売なら、いいものを適正価格で届けられるかもしれない。という結論になりました。
今後の販路は、まだどうなっていくかわかりませんが、とりあえずは第一弾としては、ちいさく船出したインナーカットソーシリーズ。
ほそぼそとでも、継続してつくっていけるシリーズになったらいいな。と思っています。

 

atelier naruse official online store
the an」のみで、11/22 (水)から販売します。

◾️s07011 organic cotton inner cut&sew
color. off / babypink / royalblue / black
size. F
着丈(CB)70 / 肩巾36 / B76 / 袖丈57 / 袖巾29
quality. organic cotton100%
price. 8,470tax(7,700)

◾️S07010 merinowool inner cut&sew
color. off / beige / red
size. F
(製品寸法)着丈(CB)71 / 肩巾38 / B88 / 袖丈61 / 袖巾33
(洗濯後寸法)着丈(CB)66 / 肩巾38 / B88 / 袖丈58.5 / 袖巾33
quality. wool 100%
price. 10,120tax(9,200)

 

 

 

 

 

atelier naruse

成瀬文子

What’s ‘the an’ ?

the an(ジ・アン)は、bokura co.,ltd. | atelier naruse の公式オンラインストアです。

the(定冠詞)と an(不定冠詞)を組み合わせたショップネーム。
an は【atelier naruse = a(atelier)n(naruse)】でもあります。

ご注文いただきました商品は、
わたしたち atelier naruse のスタッフが
ひとつひとつ検品をし、梱包をしてお届けいたします。
到着まで、たのしみにお待ちいただけましたらさいわいです。

atelier naruse スタッフ一同より

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https://atelier-naruse.com