2021.02.15
コットンデニムのサロペットパンツ、2021s/s ver. / text.成瀬文子
さて、今回は「コットンデニムサロペットパンツ」のことについて書きたいと思います。
おひさしぶりのデニムのサロペットパンツ。
最後につくったのは、2018s/sです。なんと、もう3年もたつのですね。シーズンでいうと6シーズンぶりです。
生産はなくなってからも、旧ver.のサロペットパンツはわたし自身、日常で着続けていたわけですが、以前のように似合わなくなってきているな。と考えていた頃で、リニューアルしたいなあー。と思っていました。
わたし自身の年齢でいうと、3年前は38歳から41歳になる3年間。
体型の変化や似合うファッションも少しずつ変化していった頃。
アトリエナルセのサロペットパンツのデザインは、ブランド立ち上げから何年くらいたった頃かな? 2011年頃から、いまの形の原型のようなデザインを出して、当時そのサロペットパンツがとても人気になり、アトリエナルセ(当時はnaruse)の基盤をつくってくれたような思い入れのあるアイテムでした。
なにより、わたし自身がとても気に入っているデザインで、今後もずっとつくり続けていきたいなあ。と思っていました。ただ、年齢を重ねてきて、これからもきもちよく着続けるためには、またつくり続けるには、何かを変えなきゃいけない。
そんなわけで今回のデザインができあがるまでの数年間、「あたらしいサロペットパンツは、どんな形がいいのか」ということを、ずっとかんがえていました。
でも、毎シーズンのコレクションの中でいろんな洋服のデザインを考えながら、どうも方向性の確信がもてずにいたサロペットパンツは、頭の片隅におかれたまんまでした。
そして、あるとき、「あれ、なんかみえてきたか」と、思ったのが、2019年の冬。
頭のなかですこしずつ具体的になってきた形を、パタンナーさんと相談しながら、かたちにしていきました。
そしてようやく、今ほしいサロペットパンツはこれだ〜!と思うものができました!
せっかくなので、今までの旧ver.の写真も掲載してみます。
え!? ちがいがわからないワ〜。と、思ったみなさま。
後ろ姿のほうが、変わった感じがよくわかりますので、上下しながらくらべてみてくださいね。
どこをどう変えたのかといいますと。
ウエストがジャストサイズではなくなったということ。これまでと同じように後ろウエストにゴムははいりながらも、身体がすっぽり入る筒状のラインになった、というイメージです。
もちろん、ただ大きくした。というのではありません。ヒップの形ができるだけまるくならずに、フラットになるように、とのリクエストをパタンナーさんに伝え、ウエスト位置を少し上げて、さらにウエスト、ヒップサイズも大きく、また股上も長く。。。そんなふうに微調整しながら、つくっていきました。
そのことで、パッと見はデザインが変わっているようには見えないけれど、ズバリ、着用感とやはり着用したときの後ろ姿が今までのサロペットパンツと大きく違うものに生まれ変わっています。
はたまた、細かいところでいうと。
よくよく見ると、たとえば前面の胸当て部分の上部の横巾寸が変わって、新ver.のほうが少しだけ狭くなっています。それから、後ろの肩紐のクロス位置はすこし高くしています。これは、どうしてそうしたか。といいますと、それは、肩紐が横に落ちにくくするため。
実は、これまでも再生産のたびに肩紐が落ちにくくなるように細かくリ・デザインをしてすこしずつ工夫はしていたのですが、100%落ちにない。というまでには至っていませんでした。
ですが、今回の新作ver.は、それが解消! 肩紐が100%といっていいのではないかな(いいすぎかな笑)。落ちません〜!
※初めて着ていただくときに、肩紐の長さはちょうどいい長さに調節してください。落ちてしまうときは、すこし長いはず。すこしずつ縮めて調整してみてくださいね
(各サイズ寸法)
【38サイズ】胸当て丈27.5 / パンツ脇丈100 / W86 / H101 / 股上35.5 / 股下63.5 / 渡巾33
【 40サイズ】胸当て丈28 / パンツ脇丈102 / W90 / H105 / 股上36 / 股下65 / 渡巾34
つぎは、サイズ展開。
2021 s/s ver.のサロペットパンツは、「38サイズ」と「40サイズ」の2サイズ展開になります。
前回の投稿と同様に、158㎝、体重は40㎏台後半(ご想像あれ)のわたしが着比べてみましたよ。
まずは、38サイズから。
横からの写真がわかりやすいですが、後ろ部分のウエストにずいぶんと余裕があります。
股上も長くなり、着心地が格段によくなりました。
丈は158㎝のわたしが着るとすこし余るので、わたしは裾を折ってはいています。
後ウエストにゴムのデザインも残しつつ。
ポケットは右側のみ、片玉縁ポケットです。
これも以前のデザインと変わっていませんが、ポケット位置は微調整しました。
(こまかいことですが、前ポケットと、後ポケットの袋も深くなってます)
さて、お次は40サイズです。
横からみると、わかりやすいですね。ウエストにより、ゆとりができました。
ちなみに、わたしは38サイズがちょうどいいです。
40サイズは大きめを元気にカッコよく着るスタイルにいいなあ。と思います。
ちなみに、モデルさん撮影のときに、諸事情があり40サイズがなかったので、モデルさんが40サイズを着ているカットがないのが残念なのですが、高身長の方は、40サイズをざっくりと着るのも、かっこいいのではないかなあ。と思いました。
大島さんは168cmとスラリ美人さんですが、38サイズを着ても違和感はありません。
この許容範囲も新ver.の特徴のひとつ、です。
また、身長は160㎝前後だけど、ちょっとふっくらされている方は40サイズがおすすめです。今回のサロペットパンツは、ウエストがジャストサイズではなく、少しおおきめのサイズを着るのがおすすめなのです。
となると、小さい身長の方はどうなるの?と、なりますよね。
150㎝台前半の普通体型の方も、38サイズで大丈夫です。
股下丈はすこし折って履くか、丈直しをしていただくとよいかと思います。
(デニム丈のお直しでしたら、町のお直し屋さんでもできるし、リーズナブル!)
ただ、とても小さくてスリムな方の場合、骨格によって肩紐の長さをかなり詰めていただいて着てもらえば大丈夫な方と、んーおおきすぎる!と感じてしまう方、どちらの可能性もあります。
迷われた方は、胸当て丈をメジャーで身体にあててどれくらいの位置にウエスト切り替えがくるか、いちど確認してみてください。
ウエスト部分が実際のウエスト位置よりも下になってしまうと、残念ですがこのサロペットパンツは大きくて着るのがむずかしいかな。と思います。
サイズのこと、いかがでしたでしょうか。
もし、それでも「こんな体型の場合はどのサイズがおすすめ?」と迷われてしまった場合にはメールでお問い合わせくださいね。
そうそう。
デニムサロペットパンツは、製品後に水洗い(ワンウォッシュ)しているのでご購入後の縮みはそんなにありません。
ただ、デニムなので色落ちは多少あります。
淡色のものと一緒に洗ったり、水に濡れたまま放置しないようにご注意ください。
また、かっこよくエイジングするには、洗う回数が少ないほうがいい色合いに色落ちしていきますので、調節しながらお手入れしてくださいね。
ゴムの部分や、膝小僧、縫製の切り替え部分など、とても味わい深い色落ちをしていきます。色落ちに着る人の個性がでるデニムは、それもまた楽しみのひとつですねー。
上の写真は、ずっと変わらない附属類。
左脇についたネオバーボタンは、つよくひっぱってもとれません。
肩紐のアジャスターは、最初ちょっとかたく感じるかもしれませんが、一度好きな長さに調節したら、ほぼ固定でよいかと思います。
後ろポケット、バルーンパンツは「箱ポケット」でしたが、サロペットパンツは「片玉縁ポケット」。
どちらもカジュアルなアイテムですが、サロペットパンツは女性らしいデティールにしたかったので、繊細にみえる片玉縁ポケットを採用しています。
こちらもatelier naruseサロペットパンツのアイコン。
ウエストにゴムがはいることで、ヒップ部分にゆるくギャザーがはいります。
同じアイテムを繰り返し作りながら、年齢とともに、時代とともに、微調整しながら作っていく定番商品のひとつのデニムサロペットパンツ。
3年もかかってしまいましたが、今回の2021 s/s ver.。
今までのデザインを引き継ぎながらも、体型をカバーしつつ時代にあった、とてもいいリ・デザインになったなあーと思っています。
na-F05078 コットンデニムサロペットパンツ
col.indigo
size. 38 /40
material. cotton100%
price.¥20,900(税込)本体価格 ¥19,000