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母の事をどういう人だったのか 説明するのは 案外むずかしい
父の場合は いろんなものを つくり 家が そういうもので
息づいていた 池の鯉が好きで しょんべん小僧を 池に設置し
庭には 花壇を作り お酒が好きでと いっぱいある
こう書いているうちに 少しずつ母の事を思い出す
あみものがうまくて 手編み機械編みで みんなはそれを着ていた
婦人会の会長さんをするので 私に嫌がられていた
かいわいのはなしを 父やわたしのまえで あんまりうまく
まるでそのままに 話すので 
「お母ちゃんは はなしがうまいやろ」
と一本のお銚子で いい気分になっている父は そういった
私が ふくれっつらしていようと 知らん顔をしていた
どんな大風が吹いてもたおれない そんな人だと母の事を思っていた
ところが 雷が鳴ると もうなにもかもほうりだして 御飯も後回しになった
絵を描くのは苦手で 子どもの頃は 弟に描いてもらったらしい
私の絵を見ても 感心するばかりだった
7人兄弟で みんなのことをほめていた ほめすぎ
かたや父は一人っ子 あれやこれや 父の事では こまることとか よくいっていた
ところが 父ができて 父がする事は きまっているらしく 
母は 認めていた そこが偉いなあと 私は見ていた
母が 世の中は辛いもんだなあ そういうことをいうのを とうとう
きかなかった 晩年には 雑草と戦うのはやめにして 
「草も一生懸命生きとるなあ」と言った
さて 
私は もうぼやいている 
《 2020.01.10 Fri  _   》