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こころ 夏目漱石

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こころ 先生と遺書 夏目漱石 つづき

奥さんがKに話をしてから二日余りになります
そのあいだKは私に対して少しも以前と異なった様子を見せなかったので、私はまったく
それに気づかずにいたのです。彼の超然とした態度はたとい外観だけにもせよ、敬服に値すべきだと私は考えました。彼と私を頭の中で並べてみると、彼の方がはるかにりっぱに見えました。「おれは策略で勝っても人間としては負けたのだ」

私が進もうかよそうかと考えて、ともかくもあくる日まで待とうと決心したのは土曜の晩でした。ところがその晩に、Kは自殺して死んでしまったのです。


Kの死はあっけなく思えます
しかし 「私」のKにたいする 葛藤は 本当に長かったように思いました
このKの死をもって 「私」の考えは それまでとは違ったものに変っていきます
しかしこの場に及んでも 生きているものは 周りの事を気にするのです

そこから彼の(死んでいる)部屋の様子を、暗いランプの光で見回してみました
その時私の受けた第一の感じは、Kから突然恋の自白を聞かされた時のそれとほぼ同じでした。

《 2019.09.30 Mon  _  読書の時間 》