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こころ 夏目漱石

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こころ 先生と遺書 夏目漱石 つづき

「私」が三度目に帰国した時 気づいてしまうのですね
叔父の態度が違う事 叔母もいとこたちの態度も

ー私は突然死んだ父や母が、鈍い私の目を洗って、急に世の中がはっきり見えるようにしてくれたのではないかと疑いました。私は父や母がこの世にいなくなったあとでも、いたときと同じように私を愛してくれるものと、どこか心の奥で信じていたのです。
私はたった一人山へ行って、父母の墓の前にひざまずきました。なかば哀悼の意味、なかば感謝の心持ちでひざまずいたのです。そうして私の未来の幸福が、この冷たい石の下に
横たわる彼らの手にまだ握られてでもいるような気分で、私の運命を守るべく彼らに祈りました。あなたは笑うかもしれない。私も笑われてもしかたがないと思います。しかし私はそうした人間だったのです。

私の世界は掌を(たなごころ)ひるがえすように変りました。もっともこれは私にとってはじめての経験ではなかったのです。

十六、七のときにはじめて世の中に美しいものがあるという事実を発見した時


えっ 叔父たちの態度がかわったという 恐ろしいことと 色気のついた「私」が世の中にはこんな美しいものがある 女性がいる
この二つの事が 同じ位置にあるというのが 若い私にはわからなかったかもしれませんね 70になったんですから 少しわかりますよ

《 2019.06.27 Thu  _  読書の時間 》