NEKO美術館 成瀬憲子

うえひだり

こういう写真を見ると　じっとみてるけど　ことばがでてこない

てをひろげて「おーないす」とかいうことはまずない　そりゃ外国映画だ

しかし向かって右足が　痛むから　このつえなのか　向かって左足のは奥さんが支えているから　つまり両足が痛いのかも知れない　そんな事は思う

まんなかみぎ

あっというまにテレビのかたちが　変ってしまった

私はなんら変わっていないのにね

ひとことでいえば　忙しい　なんでそんなに忙しく変化するのよ

ひととおり　文句言って　すました顔をして　画面だって前よりだいぶいいと思っている

まだ白黒のテレビの時　ちょっとしたはずみで　この画面に色がつくかも知れん

そう　気持ちまでねじらせて　思った事がある（どういうかたち？）

冷蔵庫で氷ができるようになったときは　かじりすぎて　おなかをこわした

テレビは居間から台所まで　父と運んで　御飯を食べながら見て　おわると　居間に２人で運んで　こんどは夜の部を見た

ほとんどのことが　かみ合なかった（私からして）父だったけど　これだけは一致した

したひだり

鳥が　たまごをうむというところから　愛情はほとんどないに等しいと考えてた時期がある　だから　羽の下で　たまごをあたためているときも　あたためるとひながあらわれるからといって　それはたまごの話から　進展はしていなかった

うまれたひなが　おやどりのあとを　おどろくほどまちがいなくついていくのも

ちょっとおどろいたけど　それはそれだと思っていた

そんな人間中心の考えでもって　私はいたわけで　さらにさかのぼって　恐竜が　たまごからでてきた子供恐竜を　やはり　思っていた　なんのことはないと

今は　ちがうんだけどね