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かもめ

かもめ つづき

大げさな身振りでなくともよい。身振りは、小さいほどよい。
花一輪に托して、自己のいつわらぬ感激と祈りを述べるがよい。きっと在るのだ。
全然新しいものが、そこに在るのだ。私は誇りを以って言うが、それは私の芸術家としての小さな勘でもって、わかっているのだ。でも、私には、それを具体的には言えない。私は、戦線を知らないのだから、自己の経験もせぬ生活感情を、あてずっぽうで、まことしやかに書くほど、それほど私は不遜な人間ではない。いや、いや、才能が無いのかも知れぬ。自身手さぐってえたところでなければ、絶対に書けない。確信の在る小さい世界だけを、私は踏み固めて行くより仕方がない。私は、自分の「ぶん」を知っている。戦線のことは、戦線の人にぜんぶを依頼するより他は無いのだ。
 私は、兵隊さんの小説を読む。くやしいことには、よくないのだ。ご自分の見たところの物を語らず、ご自分のかって読んだ悪文学から教えられた言葉でもって、戦争を物語っている。戦争を知らぬ人が戦争を語り、そうしてそれが内地でばかな喝采を受けているので、戦争を、ちゃんと知っている兵隊さんたちまで、そのスタイルの模倣をしている。
戦争を知らぬ人は、戦争を書くな。要らないおせっかいは、やめろ。かえって邪魔になるだけではないのか。私は兵隊さんの小説を読んで、内地の「戦争を望遠鏡で見ただけで戦争を書いている人たち」に、がまんならぬ憎悪を感じた。

***

「私は戦線を知らないのだから」
太宰治は 何度もこのことを言っている
そこをなしには 何も書けないといってるようですね
たとえば 負傷をした兵隊さんにであったら 想像できるのかも知れない
「戦争を知らぬ人は、戦争を書くな。要らないおせっかいは、やめろ。かえって邪魔になるだけではないのか」「私は兵隊さんの小説を読んで、内地の「戦争を望遠鏡だけで見ただけで戦争を書いている人たちに、がまんならぬ憎悪を感じた。」

この人は 癇癪持ちになっているように 感じます
兵隊さんの文は「よくない」と この人は言います 
このよくないが具体的に知りたくなります
兵隊さんの文も 兵隊に行ってない人のことも
いらいら おこっているみたいです

お父ちゃんは癇癪持ちやでなあ
私たちは 父が急に怒り出すと そういったものです
ところが 私も テストの前になると
どうして こんな種類の違うことを いっぺんにテストにするのよ
と やつあたりしたものです 頭を抱えてね

戦時中という時は いらいらして
うたがいぶかく うしろめたいし おなかもすくし あついし
こんな夏だと 癇癪もちになるわなー
そんなことを 路地でつぶやいたら また「おい!」と呼び止められたりして
太宰さん その時代には おりませんでしたけど 想像でもの言ったら
あきませんか?
 
かもめ 浅川マキのあの歌 どんな歌だっけ
黒い物しか身につけないと 言ってましたね







《 2018.07.23 Mon  _  1ぺーじ 》