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ちょっと服の話ですけど

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「21の日記から」 NEKO美術館発

つづき
出すことができるようになった。
31で若さ はちきれんばかりの これはちょっと あってるのかどうかだけど。
こんどは、その若さをいつまでもいつまでも引き伸そうとして えらいことになってる。
長い年月 私は年相応の服を着なかった。若者の着る服さえ着ていれば 若いままでいられる、などと思ったりしてね。
それから やがて ちょっときっちりと スーツのような服を着たいなと 思うようになる。 スーツとか真面目なぶらうす(どんなんや)を身につけようとしはじめた。
ところが149センチの太った私にはそのスーツが似合わなかった。 数年間、きっちりとしたものとつきあったあと 分かれた(笑い)
それから50代は過ぎ、今は、かたのこらない ゆったりとした服を平凡に着ようとしている私がいる。
長い間よく着ていた赤系の服。 マル襟の子どもの頃好きだったブラウス。
そんなものも ふっと 鏡の中で
「似合わんわ」
と思う日がきた。
このように 私にもその服を着るきっかけがあり、その服をやめる時も 少しずつ 
やってきたのだろう。


2018年 私は68歳。
今持っている服を さらにふやすことはないのだろうと思っている。
たまに虫に食われたりしているけれども よりすぐりのいい服ばかりだ。
いい服と言ったけれども それは どういうのをさすのだろう。このとしになると 着ていて落ち着くというのもいい服の一つ。ぽけっとがあって 薬を忍ばせていたり 飴も入ってる そういう助けてくれるような服もいい。
コートだって じゅうぶんある。むすめが 家にいる頃 作ってくれた さくらいろのコート よく似合ってる筈だと思うんだけど。 カワバタエプロンのたっぷりとした軟らかい暖かさのある コートは 一番寒い時に毎日のように着た。 ありがとうと思わず言ってしまうコートだ。
せーたーは虫にやられるたびに あかるいいろの毛糸で あなをふさぐ 花火のようだな。 これぐらいのを着てても もうまわりは どっちにしても 気にしないだろう。
としをとると 先の服を考えないものかもしれない。それは あっさりしていて けっこういいものだ。
《 2018.03.28 Wed  _  思い出 》