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待つ
「目に見えないもの」 NEKO美術館発
この絵は 何回か アップしています。
木には 地下水をくみあげる血管のような細かい根っこたちがあります
おじいさんのゆたかなヒゲのようにね
そのひとすじひとすじから水をすいあげて やがて川になって
木のてっぺんまでのぼります
そのときもひとえだひとえだのみきや葉に 水がいきわたります
雨も 太陽の熱も とりのふんも みんなうけて
木は 歩きさえできませんが だからおいかけもしませんが
まっているのです
昨日テレビで見たんですけど あれはどこのジャングルでしたっけ
スマトラ パラオ？そこで 戦後もずっと小野田さんは ２９年も
谷口上官の 命令のみを待って かくれていたんですね
現地の小野田さんに出くわした人は 殺されたりもしています
出てきなさいという ビラにも 出てきません
ところが 日本の若者は 小野田さんを探し求めるのではなく
彼が 出てきそうなところで 待ったのです
そして 銃を突きつけた小野田さんに 敬礼をして
いろいろしゃべって 待ったのです
そして 小野田さんは 彼と話をしたのです
この若者はやがて結婚もし 子どもも もうけましたが
小野田さんのことがおわると
また 雪男にあいたくて ネパールの山にいくのです
ここでも 彼は 待つ方法をとったんでしたよね
どうして 待つということに自分がこだわったのかといいますと
ちょうど この絵に 何度目かに出会ったからです
ね
《 2018.03.26 Mon _ え 》