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ヘンリ八世

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「ヘンリ八世」

つづきですけど ウルジのことを覚えてますか?
法王になって 全てを手に入れたかというときに 足をすくわれるんですね。
「ああ、おさらば!我が偉大(権威光栄)ももう長いおさらばだ!これが人間の境涯なのだ。今日期望のか弱い双葉が芽ぐむかと思うと、明日はもう花が咲いて、赤やかな名誉をいやが上にと満載する。と、三日目には霜が、それを枯死させる厳霜が降って、当人大得意で、その勢威の爛熟を確信している真っ最中に、根を摘み切る、で、おれのように失墜する。浮き袋で泳ぐいたずら共のように、おれは、栄光の海のこの幾年かの夏場を、背の立たん深みまで冒険してしまった。驕慢があンまり脹らみ過ぎて、とうとう破裂(はちく)れたので、奉仕で老いも疲れもした今となって、生死にをも、跡始末をも荒波に一任せにゃならんようになってしまった。ああ、忌まわしい物はこの現世間の、空な、虚(あだ)な栄光栄華だ!どうやら心持が一変しそうになった。おお、あさましいものは王侯の恩寵にのみ寄りすがる惨めな人間だ!われわれが得ようと望む王侯の笑み顔、その麗しい顔色と彼らが下す破滅との間には、戦争や女が与える以上の苦痛があり恐怖がある。しかうして、いざ失墜となると、魔王のそれと一般で、復活の望みはない。....
  家従クロムウエルが出る。驚き呆れた体にて佇立(しばらくの間立ち止まっていること)している。


これらのウルジの言葉は いつの時代でも 繰り返されて来たことなのかもしれません。
ヘンリ八世をとりまく者たちの 話を読んでみているわけですが 読んでいくうちに
夫セイが 「ここに エリザベス一世のことや メアリー・スチュアートのことがくわしくのっているよ」と教えてくれます。「こんなに歴史はおもしろかったのかなあ」
《 2017.11.18 Sat  _  1ぺーじ 》