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猫たちの隠された生活

「猫たちの隠された生活」エリザベス・M・トーマス

 しかし集団どうしが接触を避けていても、わたしたちはほかの捕食動物をちょくちょく見かけた。たとえばハイエナの声がしじゅう聞こえ、姿も目についた。夜、水場を見張っていると、彼らはよく水を飲みにきた。動物保護区にいるハイエナとちがい、彼らは乗り物を見慣れていないので、わたしのジープをうさんくさそうに眺め、犬を見つけた牛のようにまわりをうろつき回った。しかし彼らはわたしたちを怖がってはいなかった。ある夜、キャンプのまわりをこそこそ嗅ぎ回りながら、一頭がおっかなびっくり首を伸ばし、私の携帯テントの中をのぞきこんだ。わたしは懐中電灯で本を読んでいたのだが、ふと目を上げると彼女の鋭敏な鼻が、私の鼻にぶつかりそうなほど近くにあった。互いの目と目が合った。「なにかご用?」わたしは訊ねた。おずおずと彼女はあとずさりして消えた。わたしたちはハイエナの近くでも彼らを見かけた。巣穴は土手の横腹に洞窟のように掘られていた。一頭の乳房のふくらんだ大きな雌ハイエナが、入り口から半身を乗り出してわたしたちを眺め、まったく気に食わないとでも言いたげに、不機嫌なしかめっ面をして見せたものだ。

***

「なにかご用?」
なかなか言えないですよね。
今回は エリザベス・M・トーマスがどんな経歴の持ち主か 打ってみますね、

エリザベス・M・トーマス

1931年ボストンに生まれる。スミス女子大学などで英文学と人類学を学ぶ。
50年代、アフリカに原住民ブッシュマンの調査に赴き、その記録を『ハームレス・ピープル』(海鳴社)として発表、これは現在でも古典として読まれている。また先史時代の狩猟採集民族を主人公にした小説『トナカイ月』(へミングウエイ賞受賞、小社刊)
『アニマル・ワイフ』を著し、文筆家としての多彩な才能を発揮している。
前著『犬たちの隠された生活』(小社刊)は全米でミリオンセラーとなったが、動物や自然についての深い洞察にもとづいた著作は多くの読者の支持を受けている。本書は前著と対をなす作品である。ニューハンプシャー州ピーターバラ在住

この本は1996年に発行されています。いま82歳くらいですか。
《 2017.10.06 Fri  _  1ぺーじ 》