猫たちの隠された生活 エリザベス・M・トーマス 草思社 1996
私は自分の部屋に本が 積まれているのを 時々整理します。
整理してどうするかと言いますと まだ読んでいない本を見つけて
ごろんとなって 読みはじめたりするのです。
この「猫たちの隠された生活」は ずっと前からあったものの
読むというところまではいきませんでした。
で その本の真ん中辺りを開けて 読み始めました。そしてライオンが猫科に
属するということよりも この本に書かれている ライオンという動物に
深く打たれたのでした。
もちろん これを読むまでは しまうまに とびかかっていく あのきばをむきだした姿に 恐れのみを 感じていた そんな動物のことでしたが (のりこ)
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「カラハリのライオン」
カラハリに滞在していた何年かのあいだ、わたしたちはガウチャと呼ばれる水場の近くで暮らすことが多かった。それはその地域にある涸れることのない三つの水場のひとつで、世の高い葦の茂み二囲まれた岩の多い窪地だった。2300平方キロにおよぶ乾ききった一帯では、ガウチャはほぼ一年をとおして唯一水が得られる場所だった。
水場から30メートル東には小高い丘があり、その低木の茂みの中でジュ・ワ・ブッシュマンの集団は木の枝を曲げて柱とし、まばらに草でおおった小屋を作って暮らした。
わたしたちも近くにテントを張ってキャンプをした。水場の西にはガウチャ・パンと呼ばれる広い粘土質の窪地があり、ここは雨期のあいだは浅い湖に、乾季のあいだは粘土のひび割れた平地になる。水場からおよそ2、3キロ、窪地の北西にある乾いた土手には、ブチハイエナの巣穴がいくつかあった。どこか近くに、だれかが殺すまで。褐色ハイエナも一頭住んでいた。隣接した草地にはチータが一頭。窪地の南西の広い茂みには豹が一頭。そして南東には、(わたしたちの目には)取り立てて変わったところのない灌木の茂みに、ライオンの群れが暮らしていた。
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わたしのなかでは ここが ハイエナやライオンがいっぱい住んでいる場所 というイメージが 消えていくのです。
消えて行くのを感じています。