「けったいなアメリカ人」 米谷ふみ子著 集英社
ミラー、メイラー会談傍聴記 つづき
メイラーがニューヨークの作家の代表と言えるから、右の言葉を引用しておく。
照明をつけると暑くなるから上着を取ってはと皆が言うと、メイラーは毛のチョッキを取って上着を着直す。それを見てジョシュが、
「ジャケットも取ってしまえよ。暑いよ」
と促すと、ディックが横から、
「また市長選挙に出る恐れがあるのでね。その用意に、テレヴィに出る時はいつも彼はジャケットを着るんだよ」
とウィンクしてにやっと笑う。
メイラーも、自分が市長選挙に出た時、ジョシュが取材に付いて回ったのを思い出したらしい。
「ジョシュ、あの時は本当に怖かったぜ。いつ殺されるかと何回思ったか。全く被害妄想にになったよ」
***
ええっと メイラーの市長選出馬は ロスアンジェルス市長(ロスは市でしたっけ?)
いやニューヨーク市長?
いつ殺されるかわらないって そりゃあ怖いですねえ。共和党と民主党 それ以外にもいろいろあるんですか? その「出るかもしれない」ために メイラーはジャケットを着る いえね このメイラーさんたち 「いつ殺されるか本当に怖かったぜ」って それぞれの会話の中で 「この人達ただ者じゃないわ」。
***
さて ミラーさんメイラーさん 途中で失礼します。
日本人ノリコ・リーは
「畳の上で死にたい」
こんなタイトルが 今しがた浮かんで来たので そういうことにします
この畳 どこから仕入れて来たんかなあ。たぶんフリーマーケット産だと思うんですが
どこにおいても なんかとても自己主張があるようで 今はここには ないかもしれません。なくなると「お雛さんの台にすればよかったな」などと。
上の絵は わたしにしたら めずらしく空間を埋め尽くしています。
ときに 埋め尽くしてしまいたい衝動に駆られる時期があるのです。
それに従ったまでの話なんですが そうすると なんだか 「労働したなあ」
そんな気分になれるのです。みなさんもそういう時ありませんか?
絵は あんまり意味はありません。
最近 意味のないものを描いていたのを みると「いいじゃん」と思うのです。
絵を熱心に描いていたときは 「なんか深い意味がなくちゃね」とよく思いながら描いたものです。
で 何年もこの絵を描いてから たちましたが いまは この絵を見る人として お話ししてみますね。
「なんか ぶっそうなものをとばしたりしないでないで もうちょっと 安らかに畳の上で死ねそうな 使者を とばしてくださいませんか お願いしますよ」
と書いたところで かえるがなきました。
意味のないものを 描いていたら こんど年月が経って こんな「ごろあわせ」みたいなことを思い付いたりできますね。皆さんも時間がありましたら この絵について しゃべってくださいね。
さいならさいなら