「けったいなアメリカ人」米谷ふみ子著 集英社
ミラー、メイラー対談傍聴記 つづき
そして彼らに続いてメイラーが、大きなスーツケースを引きずりながら汗を拭き拭き
入って来た。
私は、マリリン・モンローの本(『マリリン・その実像と死』)の出版パーティで会って以来、三年ぶりである。メイラーは以前よりすごく肥えて白髪が増し、ユダヤ人の典型的なおっさんスタイルになっている。若き日の魅惑的な面影はすっかり消えてしまっていた。木綿のシャツ一枚でいられる気候のロスアンジェルスで、メイラーはウールのスポーツジャケットの下に毛のチョッキまで着込んで、汗をたらしながら大きく胸で息をしている。
「タクシーが道に迷ったんだよ。御免、御免、遅くなって。ハイ、ディック、ミスター・ミラー、ハウ・アー・ユー」
そして、反対側に立っていた私達に気づいて驚いた様子で、
「ヘイ、君たち一体ここで何をしてるんだね。とにかく、ハウ・アー・ユー」
急いで指定された席に座ると、トニーがデュポネをグラスに入れて来る。前に会った時のことをトニーはちゃんと覚えているのだった。
メイラーとミラーはこの『天才と色欲』という本が企画されるまでは一度もお互いに会ったことがなかったのである。ここで行われた対談は二回目の出会いであった。
***
ここですね「ハウ・アー・ユー」が出てくるのは。 どんなひとにでも 「ハウ・アー・ユー」ですむのかとわたしは思いましたと まえに言いましたよね。
さて 三年ぶりにふみ子さんはメイラーに会うのですが 「その頃の魅惑的なメイラーはどこえやら」 そうですか この三年というのは えらい変化をもたらす三年だったんですね などと私的には 自分のことに入って行くのでした(入り込むなよ!)
なんだかつづきが楽しみじゃありませんか?
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さて こんどは わたしのところですよー。
地平線を描きますとね そうか こんど「地平線を描きますとね」で
画用紙に描いてみようかな。
ふふふ 青い油絵の具とのコラヴォレーションですわ。
この絵は謎を含んでいるようですが 今日描いてみようというのは
「赤ん坊がひょいと 歩きはじめるような たよりなげな絵」
ときに手が震えたりする わたしですから ちょうどいいあんばいなんですよ。
そうそう これは何の絵? 何の絵かなあ わすれましたので
みなさま よろしくお願いします。
さいならさいなら