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もうないよ

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ブルー 2017 NEKO美術館発

いえね
30年ぶりぐらいに すてたものがあるんです
これは 「すてるべきものじゃないやろ」そうずっと思い続けてね

チューブにしっかりはいった ブルーの油絵の具
五本入りが 何箱も

その長い間には
いっそのこと 自分のおもちゃや箱やいろんなものすべてに
このぶるーのえのぐを 歯磨きのチューブからひねりだすように
すーっと のせてみようかなと
おもちゃに その痕跡は残っているよ

あるときは ピカソの青の時代に おびやかされるようにして
「どうしょう」と箱を開けてみたり

そうだ 家に来る人のなかで ほしいという人がいるに違いない
あの人なら 「ほー!」といってもってかえるだろう 
とか

しかし だれも 手を出さなかった

かくして30年
すててしまった
そのことを このところ 物忘れの人である わたしは
忘れていた

きょう日曜美術館では「花森安治」の暮しの手帖の話だった
その表紙絵は なぜかセザンヌの視点だと思った
なんでかって?

きのうカワバタエプロンからおくってもらったカーディガンの上に
おきあがりこぶしで けっしてたおれない(よこにならない)おもちゃを
おいてみた
写真を撮ろうとして よくこういうことをわたしはやる

ケイタイでそれをとろうとしたら おもちゃの頭のてっぺんしか写らない
本当はそれは おもちゃの鳥なんだけど かおもからだも足も撮りたい
そのとき わたしは思った
花森安治の絵は セザンヌの視点のように 描きたい面とか
引き出しの開いたところとかを 平らな平面のうえ に描きたいのだろう
そう思った

それが ブルーの絵の具の行方と どう関係するかって?
そのまえに わたしは その絵の具が置いてあった物置に 走る
なぜかって? なぜだろう
このブルーを これもずっとのこしている 紙に(かたい)
ふちどりにしたり まるにしたりして そのなかに
もっている これも ずっと長い間 箱のなかで しずかにしている
色鉛筆や マジックをつかって ごしごしていねいにぬってみよう

それは いままでにもこころみているんだけれども
それは どこか 主婦の感覚で もったいないから ぬってみよう 
そこにいきあたったりして 

花森安治の一生懸命さと実行力の熱に ふれると
再び どういうわけか なにかが 再燃するのだな

ブルーの絵の具は もうないよ

上の写真は 花森安治にて走っているときに
目に留まった 場所

《 2017.02.19 Sun  _  わたしでいいですか? 》