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トットチャンとトットちゃんたち

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トットちゃんとトットちゃんたち 黒柳徹子 1997 講談社

☆象を知らないアフリカの子どもたち

タンザニアの小学校で、
日本のテレビ局の人が、
画用紙とクレヨンを渡して
「何か動物の絵を描いて」と、頼んだ。
子どもたちは、初めて手にした 大きな真っ白な画用紙を前にして
とまどっているようだった。
一時間くらいして、先生が「描けましたけど」といった。
子どもたちは、手に手に 画用紙を高くあげて、
わたしに見せようとした。
わたしは、その絵を次々に見て 息をのんでしまった。
動物を描いた子は、たった二人。
それも一人の男の子が 画用紙の隅にハエを一匹。
もう一人の男の子は 単純な二本の細い足をした鳥を一羽。
たった、それだけだった。
他の子は、バケツとか、お茶碗とかを描いた。
アフリカの子どもなら あざやかな象やキリンや縞馬を描くだろう、と
私たちは想像していた。
でも、アフリカでも、動物がいるのは、ほんの一部の保護地区だけ。
そのあたりの子なら、動物のことを 知っているかもしれない。
でも、ほとんどの子どもは、動物園もなく、テレビもなく 
絵本だってないのだから、アフリカに住んでいるのに アフリカの動物のことを
知らないのだと、私は知った。
アフリカから、こんなに遠いのに、日本の子どもたちは、みんな象を描ける。
縞馬が、どんな動物だか、知っている。
でも、あの子どもたちは、一生、アフリカの動物のことを知らずに
死んでいくのだろうか。
アフリカは、私の憧れの国だった。
アフリカのイメージは、沈む太陽を背にしたキリンだった。
私は、まだ、アフリカで動物を見ていない。
私が行く所、子どもが 助けを必要としている所には
水もなく、緑も少ない。内戦もある。
動物が生きていけるような所はない。
人間が生きていけないのだから。
日本も戦争中、食べ物がなくなって 動物園の動物は、みんな殺された。
象だって、芸を見せれば 食べ物がもらえるかと
芸をしながら死んでいった。
豊かで、平和でなければ、象は見られないのだ、と
日本の子どもたちに知ってもらいたい、
心から、そう思った。

***

象を知らないアフリカの子どもたち
わたしも心底驚きました。
「何か動物の絵を描いて」わたしもアフリカの子どもたちにそう言いそうです。
人間が生きていけないのだから タンザニアの地域では動物など生きられないのですね。

食べること おいしいとかまずいとか そんなこといってられない人々がいる。

上の写真は 自分の服を写したものですが 象にも見えなくはないので。
こんなところで言うのもなんですが 私は象が好きで それは遠いアフリカでのっしのっしと歩いているその姿を想像していたからです。目をつぶってても描けそうでした。

それが いちばん近くにいるはずのアフリカの子どもたちが 自分の国の動物だということを知らないなんて。

《 2016.10.27 Thu  _  1ぺーじ 》