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なんどでもしそうなはなし

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にわとりのせわ その後  NEKO美術館発

 ああ そのころ レタスというのがでてきたんです。
となりのおばちゃんが わたしたちに「めずらしいもん みせたげらー」
そういって まるいグリーンの野菜を みせてくれました。
どこのうちでも 野菜を作っていましたが その野菜は きゃべつのようですが
そうではなく とてもめずらしい あじもはじめてのものでした。

さて わたしは 夕方になると にわとりを小屋の外に出して運動させる仕事も
命じられていました。「命じられて」といかにもいやそうに書きますが そのとおりでした。
毎日同じ仕事というのも つかれるものです。

で ときには変化がほしいものです。
父の造ったコンクリートのベランダから にわとりのえさを なげてみたり 
ばかなことをやって 変化をつけていました。

にわとりも 狭い小屋に一羽ずつ まことにきゅうくつな生活です。わたしなんか
とうていがまんができないでしょう。 それでも仕事をするようになって 五階建ての寮の一室が あてがわれた時 だれかが「これは鶏小屋やなぁ」といったのを耳にして
このときのことを 思い出しました。いやいや にわとりさんにわるいですよ 大の字になってねれるし そのかっこうで 必要なものがとれますし 便利な部屋でした。

で ときに夕暮れがはやいときなど にわとりをいそいで小屋にもどさなければなりません。 にわとりは うすぐらくなると ねむってしまう習性があるのです。
うちには畑の道具を入れる小屋など おじいちゃんの代からの小屋がありまして そういうところのすみっこで ねむってしまうとなかなか見つからないのです。
ねこにつれていかれるってこともあるわけで そうなると あせります ほんとうに。
「どこにいったんやろ」
「犬やねこにやられたんとちゃうやろか」
おろおろと走り回るわたしでした。

ようやくみつけて つかまえて小屋におしこむ わたしも仕事してたんですねぇ。
《 2016.10.06 Thu  _  わたしでいいですか 》