- 09
- 25
木賃宿に雨が降る
かってどこを泳いでたんやろ NEKO美術館発
木賃宿に雨が降る 高木護 １９８０
おかしな詩
会議
陰金田虫と
水虫と
毛虱が
会議を開く
陰金田虫がぶちまくり
水虫がやじり
毛虱はどこ吹く風かとそっぽ向く
一時白熱し
やがて何もなかったように醒めて
会議は会議らしくおわる
そして
陰金田虫も
水虫も
毛虱も
役得よろしく
血税や肉税をたっぷりたらふく貪りはじめる
＊＊＊
陰金田虫 こう書くんや
水虫はみずのなかにすんでるのかなぁ などととぼけてみる
毛虱 この字はとくに虱という字が気になる 向かって左側にノ（かたむきすぎか）
があると 風になるのに
この三者の会議は
くせものどうしの 会議だよね
十人もいたら 間が抜けた会議になりそうだよね
覚えてられたら 三者会議ってものを
とりおこないたいです
すずめとからすとさぎあたりで
一人ずつおいでや
すずめは 一羽だと落ち着かないんだな きょろきょろしてる
からすは なんかかんがえてる よからぬことかな からすのこと決めつけるのも何だけど
さぎは あしが長いからな それだけでも スタイルで得してるよな
会議だけど 意見交換はむずかしいんじゃないの？
稲刈りのあとの 食事について
「あわてない にがさない 利用する」からすは言い切る
「しゃべるのは仕事 よわいものいじめはゆるさない」すずめは早口で言う
「静寂は金」しらさぎはすまして言う
＊
NEKO美術館
はっとする 美しい みしらぬ干物
背景の布が またいい
「自画自賛は やらせて」わたしは言う
高木さんの会議は会議らしくおわる
これ いいよね
よくわからないから いいんよね
《 2016.09.25 Sun _ １ぺーじ 》