who am ?I

PAGE TOP

  • 09
  • 22

蓮以子 80歳

スキャン2507 1.jpeg
蓮以子 80歳 北林谷栄 新樹社 1993

初舞台 つづきです

 俳優としての誕生を意味するはじめての舞台は、1937年秋の、新協劇団の「どん底」である。私は憧れの新協に入ることができ、まもなくこの公演で淫売婦ナスチャの大役をあたえられた。
 このときの舞台写真の裏に、先輩たちにおねがいした記念の寄せ書きがのこっている。
 ーナスチャは実によかった。楽しみだった、ルカをやった修
 ー同じ芝居で舞台に一緒にいたことがないナスチャとペペル、宇野重吉 
 ー舞台のナスチャは柄が悪いがふだんはどう、大森義夫
 ーナスチャ良くヤッチャ、偉いヤッチャ、鶴丸睦彦
 空襲のとき持って逃げた大事なもののなかにあった写真は、二十五歳の私の八方破れの面構えを、もうだいぶ茶色に変色させている。

***

きのうは 「ネエ、いま帰ってしまったら、大変なことになりますでしょうか?」
のところで 私は笑い転げ 救われてそのページは かわいい風呂敷につつんで 大事にいざという時のためにとってありますですが。

しかし今日の彼女はすっかりナスチャという役をもらって ちゃんと俳優として舞台に立っています。いやぁ おそれいります。


さてNEKO美術館です。
このショクパーンナという顔俳優は 私のモデルとしてがんばってくれましたよ。ナスチャは「どん底」という舞台。ショクパーンナは「悲劇」という舞台で。じつは彼はねずみにすこしずつかじられまして えらもげっそりおちて なかなかの顔にはなりましたが。いつか他の役でお目にかかることもアロウかと思います。

さいならさいなら
《 2016.09.22 Thu  _  1ぺーじ 》